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♪「やさしい夢」を唄わない理由
(C)THE MUSIX
ひとみ閉じて自分自身許してあげましょう
我が心傷つけてしまうから
..................................
夢を見ましょう 夢を見ましょう
若き日の頃思い出し
空を見上げて空を見続け
優しい涙落ちてくる
.................................
あの日に戻り恋をしましょう
虹の彼方も遠くない
いつか旅立つその日が来たら
優しく言えるサヨナラを
優しい涙落ちてくる
フォロワーの方から質問がきました。
どうして、セットリストから
♪やさしい夢 を外したのかと。
もちろん、私は関係者ではないのであくまでも想像のお話になりますが回答してみましょう。
答えは、まり子さんが「高橋真梨子というアーティスト」だからです。
2020年3月のツアー終了の発表。
実際あの時のトーンは、一度降りてそのあとどうなるかわからないという、ほぼコンサートはやらないだろうというスタンスでした。2月末に収録したミュージックフェアの総集編でも、そのオンエアーの表情は生気がありません。さらにコロナ禍の8月のプロモーションでは、TBSラジオで司会の大沢悠里さんに逆に励まされていましたね。
まさに、この時の心境は 「虹の彼方」に向かうための休息というものであったと思います。少し考えすぎですが、天国への終活という感覚も含まれます。
そして、もうお気づきの方がいるように、この歌詞の「虹の彼方」は「オズの魔法使い」のドロシーを真梨子さんがどこか心の中で眺めている心の動きなのだと思います。
over the rainbowです。
知恵が欲しい、心が欲しい、勇気が欲しい ドロシーと登場するかかし、ブリキの木こり、そしてライオン。
彼女たちが夢をかなえてもらうために魔女に逢いに行ったところ、実は最後に、すでに彼女たちの今ある姿の中に夢は存在していることに気付くのです。
84年のアルバム「我蘭堂」のタイトルは、まさにドロシーを演じたジュディ・ガーランドさんからとっています。それくらい真梨子さんが好きな映画です。
(C)MGM
our Days 2022
しかし、2年がたちコンサートを始めてみれば、以前よりもその完成度に手ごたえを感じているはずです。
また、岩谷産業さんからのまだまだバックアップしますとのお話も、真梨子さんを勇気づけています。
だから、やたらに「全国ツアーをやめるだけ」と大きくトーンが変わってきたのです。しかも、来年は真梨子さん50周年ヘンリーさん80歳。
まだ、発表はできないけれど、東京近郊と岩谷さんの大阪、そして福岡はコンサートを行う方向だと思います。
だから、「アーティスト高橋真梨子」として、今唄えていることにまり子さんは感謝したいのだと思います。
感謝のコメントが増えました。
それは、何か新しい別の夢を見るのではなく、唄い続けること、ステージに立ち続けること。まるで外に夢を求めたドロシーが、自分の中に幸せがあることに気付いた瞬間に似ています。
だから、まだまだ虹の彼方は早いのです。
すでに今幸せな瞬間があるのです。
これが、外連味もなく媚びることもなく、ひたすら心象風景を描いてきた「アーティスト高橋真梨子」という少し意地っ張りでかっこいいお姉さんなところなのです。
別のレポートで私は、真梨子さんは私小説的な詞はあまり書かないと述べました。
むしろ、今の真梨子さんの心境は、サヨナラするのではなく、唄い続けたいその自信があるのだと思います。客観的に心象風景を描いてきた真梨子さんのスタイル。だからこそ、リハーサルや、コンサートの反省会を経て、この曲をセットリストとしてステージで歌うのではなく、アルバムで静かに聴いてほしいという気持ちになったのだと思います。
高崎ではなぜ?
ヘンリーさんの知人の方が来られていたので、フルートの演奏もありましたよね。
というのが、私の考察です。
真梨子さんは、「女友達」を唄いません。
「HEART」も「OVER」も封印しています。リハーサル中に泣けてきたという「女友達」はもちろんですが、やはり名曲はコンセプトアルバムの中で聴いてほしいという想いを強く持っているアーティストです。
この点も大きな理由の一つだと思います。
と言いながら、どこかでまた歌われるのかもしれません。ただ、「海色の風」の前に「for you...」を位置づけたのは、ライブの構成上とても素敵な演出だと思います。
以上が回答でした。
(2022.05.12記載)