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「高橋千秋楽」の

プロモーション活動を通じて

2020/08/26 FNS歌謡祭で歌唱した真梨子さんは、私の知っている真梨子さんとは別人であった。

 

卒業の報に接して以来、いろいろと思いを巡らせてきたが、コロナウィルス感染対策として全国ツアーの延期もあり、来年への期待と実際できるのかという懸念が混じる時期でもあった。そして、その不安な気持ちを落ち着かせてきたのは、真梨子さんの「もう一度、歌と向き合いたい」という言葉と、「全国ツアーは」卒業するという表現であった。

 

8月中旬から、「高橋千秋楽」のプロモーションが始まった。もちろん、わくわくウキウキするものでもない。ただ、一縷の望みは、いつかはコンサートを行う、復活するという希望であった。

しかし、8/22TBSラジオ大沢悠里さんの番組での真梨子さんの、かなり率直な思いが、2018年以降私が感じていた全ての懸念を線としてつないでしまったのである。

​この辺りのリアルタイムな私の心境は、ブログに掲載しているが、ここでまとめておこうと思う。

  2020/08/26

 いつも通り、あっさりと簡単に

 終わる録画出演。6分間。

 楽曲をぶった切ったメドレー。だからもともと期待しないと書いている。

それ以上に、やはり真梨子さんが心配だ。

真梨子さんのあの鋭い目がない。
去年の優しい微笑みでもない。真梨子さん自身が、心ここにあらずで、ふっわっとしている。シャープさは全く感じられない。コンサートから離れていたからというのは本人が一番嫌う言い訳だ。
そうではなく、心の奥でいつも背負っていたものと対峙していた、あの負けん気が感じられないのだ。

「戦わない」高橋真梨子なのである。
 赤い愛も、激しい愛も感じられな

 い。どうしたことか。

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(C)フジテレビJOCX

2020/08/30

本日の日刊スポーツの記事で、全国ツアーをやめることは3年間ヘンリーさんと話あって来たと「さらり」と書かれていた。やはり下記に書いてきたことが、伏線であったと認識できた。歌える時にきちんとお礼を言えるコンサートをやりとげて「ステージを降りたい」という意思はずいぶん以前から感じられた。8/29のNHK放送の「SONGS」では、いつものプロモーション期の出演とは異なり、「高橋千秋楽」は出ておらず、なぜか日刊スポーツの3月の記事を画面に映し出している。これもまた、ヘンリーさん流の謝意であろう。

そして、真梨子さんはハンドマイクでまるで無観客ライブの予行かのごとく、柔らかい照明に包まれるコンサート仕様のメイクで歌われた。「優しい高橋真梨子」であった。

いずれにしても、もやもやとしていた真意がこれで明確になった。

​あとは、「2021年の実質アンコール」の幕が上がるのを待つだけである。

2020/08/24(ブログ記事に追加加筆2020/08/29)

やはり少し整理が必要ですね。
心の持ち方に対しても、真梨子さんとの距離感に関しても改めての心構えが必要ということです。
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もとより、2018年のKatharsiは、さまざまな人生を悲喜劇に見立てて俯瞰していくことであるし、

2019年MariCovers 収録の「BAD BOY」で、♪「ただの女が去っていく」 というフレーズがとても引っかかっていました。そして、秋のコンサートの出来が素晴らしいこと、スタッフとの集合写真。
最高のライブであった高崎芸術劇場からの新幹線の中で、もしかしたらとの思いを強くしていました。


2020年3月の発表。それは唐突なお知らせではあるものの、晴天の霹靂ではありませんでした。
6月のツアー延期発表。それは、誰でも仕方ないと思うもの。それでも、「全国ツアーは卒業」が1年延びるというある意味安心感がありました。


しかし、今回の新曲とプロモーション活動を通じて、私の予感はそのままでした。
ツアーがない真梨子さんは、「ステージを降りるということ」です。

まるで閉店の挨拶のような語りが続いて、その活動に触れるたびに寂しさが増幅されてしまいます。


確かに、3月段階では体調を整えて、いかにもまた復帰する期待を持てそうな感覚がありました。

しかし、今回の一連のトークを本音でとらえれば、終活の「前段階」の準備に入るということなのです。

それは、大沢悠里さんの番組の中で出てきた、「虹の彼方」の歌詞のところでの述懐にあります。
つまり、それは想像すれば、96年47歳以降の真梨子さんの体調不良、2011年の極限状況を救ってくれたヘンリーさんとの「ごく平凡な生活」を送ること。しかし、そこに入るのにも決断と勇気がいるということ。
若き日の夢。どちらかといえば、人見知りなおとなしい真梨子さん。
こういう、ごくありふれた生活を送るということですら、多忙な真梨子さんには、夢のような時間であったということなのです。

そして、そのヘンリーさんから、「休んでいいよ」との言葉をもらって、すべての心の障壁が゛取れたのだと思います。それは、長年「高橋真梨子」を演じてきた、廣瀬まり子さんとしてのストレス、そして仕事への厳しさからくるものの、納得したステージの実現が難しくなってきた体力面の状況、しかし体に鞭打って素晴らしいコンサートに仕上げてきたこと、そのステージ人生への問いかけなのでした。


これらを含めて、「全国ツアー卒業」という千秋楽。

3月の体調を整えるとか充電というのは、よくある穏当な表現であったということです。

ヘンリーさんも園田社長も今年77歳。それは、60歳65歳定年で、再就職で70歳まで働いて、いよいよ毎日が日曜日というセカンドライフが始まる一般人以上に過酷なことことを既に行われています。
だから、私としても、哀しむのではなく、そういうごく普通の「わがまま」を素直に表明した真梨子さんを、僭越ながら温かく送り出してあげることへと心を整えます。

もちろん、来年のステージの時期、場所、空間。その設定の工夫も必要でしょう。
そしてステージのないだろう2022年。

そこで本当に、ゆったりとした時間の流れ、安らぎを綴る時が来る。まさに充電なのです。

 

2019年、真梨子さんの大きなコンサート人生の第2部の幕が下りました。

そして、2020年、アンコールの幕がまだ上がりません。

 

そこにいるのは、私の大好きなシャープな高橋真梨子さんではありません。

優しくなった高橋真梨子さんです。素の廣瀬まり子さんかもしれません。

しかし、体も心も極限状態に至った真梨子さんには、自分を責めず休むことが一番の薬なのです。

それは、自分を許した姿の優しい真梨子さんなのです。

「やさしい夢」

それは、普通の生活を送ること。


期待しすぎずに、哀しがらずに、温かく送り出す、
ファンのそんな心の整理に必要なプロモーション活動であったと思う次第です。

​(2020/08/29記載 8/30追加記載)


 

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