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原信夫とシャープ&フラッツ
結成50周年記念 

2001/04/08 オーチャードホール ゲスト出演

OLD TIME JAZZ
You'ld Be So Nice to Come Home to
STARDUST
5TH. Avenue

真梨子さんにとって音楽の先生は、ある意味外国人アーティストのレコードであった。また、しばたはつみさんの父であるジャズヒア二ストの柴田泰氏も先生である。でも、心の師はお父様の森岡月夫氏である。

その思いは、ヘンリーさんの姿を借りて「窓辺のアダージョ」で描かれている。

原信夫さんとは、別掲の通り、96年のNHKの特集番組でスタジオ共演されている。

真梨子さんがいうように、それまでビッグバンドとの共演はない。確かに、アルバム「AFTER HOURS」でバンドをバックにスタジオ録音を同時テイクしたことはある。96年もスタジオ収録である。

だから、初めて歌うホールで、しかも原信夫さんとシャープ&フラッツの演奏するスタンダートやジャズ、そしてビッグバンドファンや音楽関係者を前にして、カテゴリーの違うステージで歌うということはある意味緊張することでもあった。

こんなとき、真梨子さんはあの照れ笑いがでる。

演奏は、ひとりひとりのミュージシャンのパートを引き立たせるような形で、ひとりひとり立ち上がってスポットを当てる心憎い演出で進行する。

ジャズミュージシャンのパフォーマンスが続いて、いよいよ真梨子さんの出番である。どちらかといえばメインのような位置であった。

とにかく色っぽい。艶っぽい。

笑顔がこぼれるOLD TIME JAZZは、最初のワンフレーズから感情が込められている。シャウトも凄い。

You'ld Be So Nice to Come Home to 

これは、96年の時に既に、真梨子さんのJAZZの実力が凄いことはメンバーが納得している。だから、ぐいぐいとノリが良い。真梨子さんの後ろから、パワフルな演奏が響き、それに負けないくらいシャウトする。

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(C)NHKBS2001
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96/05/02  NKBS  特集番組
ON THE STAGE
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(C)NHKBS2001
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「先生、おめでとうございます.............。普段歌っているのがジャズではないのに歌わせていただいてよかったんですか?」と照れくそうに笑顔で話す真梨子さん。

「だって、何年か前もう4年か5年前に一緒にやったじゃないですか。あなたの実力はわかっているし。来てくれてとても嬉しいです。」と温かく、まるで父親のような目線で語る原さん。それにまた笑顔で真梨子さんが

「あの時は、結構練習したんですよ。

今回このようなビックバンドと一緒に(会場で) 歌うのは初めてですし。」

「いやいや、お上手ですよ。それにもともとあなたはこういう家系でしょ。だからあなたはお上手です。」

一度、ステージを下がって左手から真梨子さんがスポットの中現われる。

一諸に出てきたのは、当時新進のジャズプレーヤーでフリューゲルフォーンを奏でて歌うTOKUさんである。

こういう時の真梨子さんはお姉さまぶりを発揮する。TOKUさんが「先日真梨子さんが、誕生日ライブに来てくれて、....実は小学校2年からのファンでして、今日一緒にできることはとても光栄で.....母もファンでして」

この話に小声で、被せるように会場に向けて、「小学校2年ですって...」「お母さんですって」とチョイ悪につっこんで真梨子さんが笑いを取る。

STARDUST は、出だしのところから唸らせる。そしてそれが2001年ツアーに繋がっていく。5TH Avenueは、編曲の妙である。そのJAZZYなメロディーラインは、和の歌詞に戻るところでも失われないテイストを保っている。

​心の中でカーネギーホールで、お父様と共演はされたけれど、切ない想いは残っている。このステージがそんなどこか満たされない想いを実現させてくれたのかもしれないと私は思っている。

(2021/06/22記載)

実は今回の記事の掲載は2週間前から準備していたのだが、他の記事を優先して編集していた。漸く6/22に完成させたのだが、なんと原信夫さんの訃報が出ていたことに先ほど気付いた。不思議な話である。原さんのご冥福をお祈り申し上げます。​(2021/06/22午後8時)

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