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真梨子さんと Paper Moon
1972パラマウント
1973パラマウント
初めてファンクラブの名前を知ったとき、その由来についていろいろと思いをめぐらせてみた。Paper Moon のロゴも実は、スペルとは異なっている会報0号の表紙にこういうメッセージがある。
Paper Moon 、紙でできた月。そんな本物じゃない、と誰もが言うでしょう。
でも、紙の月が本物以上に輝くこともあるんです。
みんながひとつになったとき・・・・
Paper Moon を輝かすのは、皆さんの気持ちです。
もちろん、真梨子さん本人が書いたメッセージではない。でも、2007年のコンサートを通じて感じられたようにまさにファンの応援の気持ちが、真梨子さんを元気づけているのもひとつの事実である。
真梨子さんの曲の中には、数多くの月が登場する。しかし、私はこの月は、真梨子さんの感覚で感じ取らねばと思ってきた。
実は、私は西洋・東洋問わず、占星術もちょっとかじっている。
その星のもつ意味で予見する暗示の世界では、太陽は輝き続け、威厳と権力の象徴であり男性的な存在として捉える。一方、月はミステリアスな神秘な愛をイメージし、男性の太陽に対して、女性を象徴していることが多い。
「Brother Sun, Sister Moon」という名画もあるくらいだ。
そして、母を亡くした女の子と男との交流を描いた「ペーパームーン」という映画もある。(主演ライアン・オニール、テイタム・オニールの実際の父子共演。)
だから、このファンクラブのタイトルを見たとき女性的な繊細なイメージをインプットされていたのは事実である。
しかし、実は武道館のコンサート以来、真梨子さんにとっての月は、男性ではと思ってきた。それは、さびしい一人の少女が夜空の月を見て父の愛情に想像の世界で触れるという感覚である。
お母様の思い出は、TV番組「地球アクセス」で訪れたコロラドのパームスプリングスかハワイのまぶしい太陽のもとでのゴルフのシーン、そして、カーネギーホール翌日の洋上ランチクルーズパーティでへンリーさんとダンスに興じるシーン、そして、香港のパーティでお誕生日のケーキを前に真梨子さんから花束が渡されるシーンが流されている。明るく輝く太陽のようなお母様であった。そして、擬人化された「向日葵」の曲につながって行くと感じられた。
真梨子さんにとって、月はお父様 太陽はお母様 という存在でとらえた、ひとつの歌の世界ができているように思う。
そこで、アルバム「MUSEE」に収録されている デルタ を改めて聞いてみたい。この曲は、素直に聞けば、真梨子さんご自身のつらい失恋をさらっと歌っていると感じられる。
特に、天体や自然の中でのご自身の存在について考えることが多かった頃の作品なので、失恋を星になぞらえたのだと私はずっと考えてきた。そして、余計なことだが、「彼と彼女と私」という言葉の持つ人間関係にまで想像を及ばせてきた。
しかし、この曲の新しい解釈を述べてみたい。
フレーズの中にある位置関係がすべてを語る。
それは、月と太陽と地球 という並びなのである。なぜ、太陽と地球とその衛星である月という並びではないのか。歌詞の韻の関係なのか。いや違う。実は、私自身のことで、あることを思い出した。ちょうど、結婚式の前、招待状などを作っているとき
私は23歳で母をなくしているので、父と野良猫君との「男3人」の生活をしていたのだが、父に初めてなぜ母と結婚したのか、照れくさいが軽く聞いてみたことがあるのである。
彼は彼女を選んだ 本当の意味知りたい
まさに真梨子さんにとって月と太陽の並びである。そして、お二人とも野辺送りされた後ではその真実は聞くすべもない。ただ、夜空で暖かく月明かりが真梨子さんを見守ってくれているのだ。
デルタは、真梨子さんの失恋の歌ではなかったともとれるのである。そして、ヘンリーさんを絡めた、もう一つのsensitiveな人間関係も感じられる。これは想像に任せたい。
楽曲の聴き方、感想は人様々であろう。今回発表した感想も、、真梨子さんの様々な楽曲を恣意的に結び付けただけという意見もあるかも知れない。でも、MDF音楽館に来ていただいた方には、こんな聞き方をしているファンもいることを知っていてほしいと思うのである・・・・・・・
(2007/12/16)掲載