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赤く赤くフレンズ
川口リリア 2016/06/05
2016年のコンサートは、ClaChicのExtra Versionであり、まさに無限大の広がりを見せる新しい
infiniなステージであった。
開演前、会場には、スイングJAZZが流れている。
スクリーンのイメージは、絵画のような額縁の中で、しっかりと結ばれた幕が左右に広がるだろうことは想像できた。これは、なにかの封印されたものを解き放つという暗示なのか。
これから、今年のコンサートをいろいろと体感していく上で、本日もたくさんのヒントを体感できた。
それは、夕陽(ゆうよう) と日の光との対比である。
また、海である。また、教会である。
そして、それらの心象風景を奏でるギターであり、サックスであり、そしてビアノである。
また、ある表現をすれば、tiptopとびきり上等のテイストであり、友愛である。
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今回、「2016高橋真梨子さんのコンサートで聴きたい曲BEST30」から、多くの曲を採用していただいた。真梨子さんのMCでは、アンケートのリクエストが多いのでという表現であったが、とてもありがたい。
「もうちょっと見つめて」がSET LISTに入るということはCOREなファンでなければ、なかなか書けないと思う。
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先日、ClaChic 2 の鑑賞記録で述べたように、編曲者により楽曲のテイストを変えている。
小林信吾さんの編曲は、サックスなど都会の感じのする構成になっている。それに対して、林有三さんの編曲は、アコスティックなナチュラルな調べが続く。
典型的な大自然の暖かさを表現した「襟裳岬」は、サックスは奏でられない。ナチュラルなキーボートの音である。そして、ニューヨークの夜景を背景に歌う「ごめんね」の次に、「OLD TIME JAZZ」 で、サックスは思う存分都会の夜を描いて対比していく。
その時、自然を表現するギターの調べは、サックスと呼応して都会の世界を表現し融合していく。
前後するが、「流れる」で教会のステンドグラスをバックに歌う真梨子さんが、後半真っ赤なドレスで、「Heart Breaker」を歌い上げ、唯一絶対の聖なる存在に、愛の許しを請う存在となる。こういう呼応がある。
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今回象徴的な3曲は、全て宮原さんのピアノである。
前半のラストが、都会の人ごみの中でも健気に生きて、愛していく「君と生きたい」。
そして、このコンサートのメインは、「Heart Breaker」のあと、宮原さんのピアノで奏でられ、間奏が万照さんのサックスで歌い上げられる「フレンズ」である。90年代の「フレンズ」である。その色使いは、単純に、青いカクテルライトに、真っ赤なドレスの真梨子さん。歌詞は、煌めいてたそして であるが、元歌の赤く赤くフレンズに聞こえてきた。
そして、「for you...」。
アンコール前のラストに来る
赤く赤いフレンズ。それは「ClaChic2」に収録されている曲の中でもっとも象徴的である歌詞に関係していると感じられたからだ。
今回はセットリストに入ってはいないが、「さらば恋人」の中の歌詞である。
ふるさとに帰る地図は
涙の海に捨てていこう
まさに、前を向いて赤く赤く歩いてきた真梨子さんそのものの存在がこの歌詞の中にいる。
そしてその海は・・・・・・・・・
オープニングで、まるでギリシアのパルテノンのような柱に囲まれた、アフロディーテのような真梨子さんが、後半で桃色吐息を歌うギリシャの海ではない。
苦しい時も自分を信じて、自分の進むべき道を信じて歩んできた、真梨子さん。体調を壊したとき、寄り添ったヘンリーさん。そしてスタッフ。そして、真梨子さんを応援し続けてきた多くのファン。
今日のフレンズは、友人という枠ではなく、魂のふれあい、SOULMATE として同じ道を歩んでいる多くの同胞への感謝を歌っているように思えてきた。
だからラストが「海色の風」なのである。
その海は、明日への希望を感じさせる風が吹いている。そんな暖かいラストは、まるでひとつのストーリーを見たかのような大団円であった。
(2016/06/05)