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Sensitive に演技して
2019/06/30 東京国際フォーラム
Mari Covers 2回目の鑑賞である。
今回はご縁があって、2階席からコンサートを鑑賞することになった。
ステージ上の舞台面に映るライトも含めて全体の感覚、そして左右のモ二ターに映る舞台袖からの映像が愉しめて満足いくコンサートになった。
さて、今回のコンサートの素晴らしさは、1回目の川口リリアの印象が強く、3つのレボートですでに発表している。よって、今回は自分が体感したことの再確認と、安心して特に8-10曲をじっくりと聴くというスタンスである。
演出の素晴らしさは、すでに述べた通りであるので目新しい大きな追加事項はない。
というより、1回見ただけで3本のレポートを書けるだけ今年のコンサートは素晴しいのである。
あえて細かいディテールを述べると「訪れ」である。原曲は、素朴な仕上がりである。
しかし今回のアレンジは、一言で言えばお洒落に仕上げている。それは南欧風のAORである。
全体のトーンは金色の、ゴールデンタイムの夕陽のトーンである。それが、雪のシーンで銀色に変わる。心憎い工夫である。
これは好き嫌いの話である。
「祭りばやしがおわるまで」は、私は原曲のアルバムの中で聞くほうが幻想的なイメージが出ていて好きであり、「瞳は貴方ゆえに」と合わせて聴きたい想いが強い。ある意味、コンテンポラリーな作風であるがために、実は真梨子さんの普通なバラードになっている。
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東京国際フォーラムの壁面のモニター画像。
やはり、画面の特性から真梨子さんの表情がふっくら見える。
実際は太ってはいないのだろうが、コンサートシンガー高橋真梨子は健在である。
声に力がある。
声に艶があり、笑顔が感じられる。
だから高音の伸びも、高音部であるけれどそれのベースを固めているブレスの土台がしっかりとしていてブレない。
裏声にもならず、苦しいのだけれど苦しそうには感じさせない発声である。
だから、ここ10年でもこんなに安定しているヴォーカルはない。
安心して聴いていられる。
HEART
(C)VICTOR ENTERTAINMENT
撮影田中聖太郎氏 2019/06/22市川文化会館
特に、「for you...」「BAD BOY」をじっくりと聴きたい。
宮原慶太さんのピアノとの呼応、息遣いが凄い。20年もの間コンサートマスターなので
真梨子さんの体調はその日の歌声を聞けばわかる存在である。だから、「for you...」の入りも、満足いく声の伸びの間を感じて次の音がピタッとはまる。
あえて苦言を呈せば、「君と生きたい」である。今回のコンサートの最大の特徴は、真梨子さんのヴォーカルの明瞭さとヘンリーバンドの演奏音、音源とのバランスの良いミキシングが挙げられよう。ただ、この曲では、少しピアノ音が強く、もう少し寂れた弱い音の入りの方が良いかと自分では思っている。
そしてテンポも少し早い。いや、ほんの少しの遅さで良い。実際、サビの部分での真梨子さんのメゾソプラノの伸びとワンテンポの呼応は見事であった。
このことは、僭越ながらアンケートに記入したい。
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そうか、クリムトの絵。
人の生き様も、女性の情念もいろいろと混在するだろう。
でも曲の中で真梨子さんが歌っている。
♪sensitive に演技して
そうこれは、アルバムTriad 収録の「HEART」の登場人物の述懐に似ている。
好きな彼氏に気に入って欲しくて、彼氏好みの女性を演じてきた自分。でも失恋してみればまるで大根役者(きらわれ)のような感じに....
今日はヘンリーさんからも、何度もTriadの名前が出てきた。このことはしっかりとアンケートでTriadのことを書いている自分には、とても嬉しいキャッチボールであった。
かつて、10年以上前に「HEART」を楽曲解説した記事がある。
高橋真梨子さんの少し難しい世界に触れたい想いで書いている。
自分でも懐かしい。
2019/06/30記載