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Longing for you ...
2019/07/26 ロームシアター京都
この会場は、1階席1/3あたりから階段傾斜になっていて、18列だと2階バルコニーとほぼ同じ高さになる。いわば25メートル先のステージを見おろす位置になる。音響操作のエンジニアエリアでもあり、音質的にも良い位置で鑑賞できた。
開演5分前から始まるGeorge Winstonの旋律。
何も感じない人はそのままで終わってしまうのだろう。
でも、ここにはおそらくコンサートマスターの宮原慶太さんのお洒落な仕掛けがある。
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真梨子さんは相変わらず抜群の安定感である。
中低音の響きと伸びは、自然なエコーとなって伝わってくる。持ち前の倍音の声質が、ひとつのメロディラインを発しながら、同時に補完的に発せられる同調するオクターブの階層が厚みを増していく。しかも、高音メロディの部分は、高音を発するのではなく、下から低音の発声のまま持ち上げている。いわば、厚みのある高音なのだ。
だから、真梨子さんのVocal自身が、弦楽器の響きを奏でていく。
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コンサートマスター宮原さんは、真梨子さんのその日の体調や前半の入りから、微妙なディテールを感じ取って演奏されている。
今回の聴きどころは、「訪れ」「君と生きたい」
「for you...」「BAD BOY」「far away」。
宮原さんのピアノと真梨子さんの弦楽器の音色のVocalの素敵でお洒落な呼応である。
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しかしなぜ、すでに定評のあるGeorge Winstonの旋律を使うのか。
そう、George Winstonは、真梨子さんと同じ1949年生まれ。音楽活動を始めたのは、1972年。つまり、真梨子さんがP&Cに誘われ、東京に出てくる決意をした年である。
そして、誰でも耳に聞こえのある旋律。
あのGeorge Winstonの旋律のタイトルは
1980/11リリースのアルバムAutumn収録の「longing / love」。
George Winstonは、クラシックや、R&Bそしてロックにも影響を受けて、独自のスタイルで演奏している。自然風景を反映するプレイスタイルで、ニューエイジ(癒し系音楽) "Rural Folk Piano" と称されている。
一方、P&C 時代の「ジョニイへの伝言」「五番街のマリーへ」の曲調と世界観、そして私が名曲と思っているヘンリー広瀬さん作曲の「恋人たちの時間」は、当時の歌謡曲界にあって、全く別のアダルトコンテンポラリーである。また、真梨子さんのソロデビューも、日本の音楽界ではニューミュージックの時代であり、しかし真梨子さん自身は、そのジャンルにとらわれることなく独自の「高橋真梨子」というジャンルを築いて来た。
つまり、その独自性がとても似ているのだ。
このことを端的に表す曲が、今回の「訪れ」である。
原曲が既に「恋人たちの時間」同様に軽やかであり、また編曲されたあとは、お洒落なフランス風なメロディラインになっている。
その途中の間奏で、そうした都会派的な情景を宮原さんらしいピアノソロで奏でていく。
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そして、
君と生きたいという想い、あなたが欲しいという強い想い、メーセージを送るBAD BOYの全ての心象風景が、あなたを慕い続けたいという魂の想い なのだ。
longing for you ...
まさに、「longing / love 」 である。
だから
♪「君と生きたい」
「for you...」「BAD BOY」
感情をこめず、バラードははっきりと明瞭に歌うという真梨子さんのVocalこそが、情感たっぷりに心に響いて伝わってくる。
さらに、去来する魂への鎮魂も、明日への希望があればこそである。
これらの曲の今日の歌唱は、出だしがとても力強い発声であった。ずしりと響いてきた。
真梨子さんは元気だ。そして今を歌っている。
(2019/07/27記載)
(次にPIYさんからのメールも併載します)
PIYさんからのメールを掲載します。
「 久々に...
CDラックから取りだしあらためて曲名を観察すると
真梨子さんそのものですね。
Colors/Dance
oods
Longing/Love
Road
Moon
Sea
Stars
ここであえて日本語表記にする必要はないですね。
Skyが入れば完璧に真梨子さんそのものなのに…
P&C時代から真梨子さんは知っていましたが本格的に聴くようになったのは、ゆくゆくは奥様になる当時知人だった女性からお借りしたCD『蜃気楼~桃色吐息 スーパー・ベスト』がきっかけでした。
もっともっと古いファンの方にはおよびませんがこれからも真梨子さんを応援し、見守りたいと思います。そういえばAUTUMNのCDも彼女から借りたものです、自分と真梨子さん、George Winstonとの縁を感じます。」
2019/07/25