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みなとみらい Stage の未来

2019/11/02 神奈川県民ホール
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(C)THE MUSIX

数多くコンサートを鑑賞してきた。

そして、数多く真梨子さんを語って来た。

それは、コンサートシンガー高橋真梨子を通じて、アーテイスト廣瀬まり子さんが描く世界に向き合う、"他人用の自分" を取り払った「素の自分」本当の自分自身の魂が震えるような、共鳴の連続であった。

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​そして今日、これが高橋真梨子の未来形であるというステージを見せてもらえた。

お洒落なみなとみらい線の駅からホールまで歩けば、遠くに豪華客船を臨みながら頬に心地よい潮風があたる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして、コンサートが始まるとステージの背景がまるで駅の延長のようなイメージで居心地が良い。そして、そのドームが、「クリスタルな向日葵」に色彩豊かに変化していく。

 

実は、前日が音響面で?という話を耳に挟み、オープニングから落ち着いて聞いてみた。

というより、今日は既報の通り、今年のツアーで一番真梨子さんに近い席である。ステージまで5m。真梨子さんの姿にマイクの入らない角度で真梨子さんの右顔を見るベストの位置である。そしてクリムトの背景画がこんなに高いのかと思わず見上げる位置だ。だから、音響面では、左スピーカーがメインである。しかし、同時に、ドラムスやパーカッションの生音も聞こえてくる。宮原さんの指の動き。藤井さんの左指の動き。後半のマロさんのかっこいいダンスとコーラス。

それは、まさにLIVEである。

そして、真梨子さんの心臓の鼓動が聞こえてくる感覚に包まれる。すべての曲の出だしが大切という真梨子さんのお手本通りの丁寧な入り方。そして、ディテールの乱れがない。もちろんグルーヴもよい。バラードは明瞭に歌うと言う真梨子さんの強い気持ちも感じられる。

相変わらず、「君と生きたい」の宮原さんのピアノ音が、ほんの少しの時間を溜めて、真梨子さんの息遣いと呼応する。そして、聞えていないオープニング前のジョージ・ウィンストンの旋律が重なって彩りを添える。

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そういえば、「Mary's Song」の背景スクリーンの画像。1コーラス目の左上は、BLUESである。右側ネオンサインは「 Nashville Crossroad」

2コーラスで LIVE MELLOW に代わる。

真梨子さんのアルバムで「MELLOWLIPS」も

「BLUESette」も、好きなアルバムである。

アルバム「DEAR」と並んで、真梨子さんも好きなのだろう、納得した作品なのだろう感じられる演出である。

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​おそらく、今日の歌唱は今シーズン最高の歌唱である。​相模大野も、松戸も今シーズン最高と書いてきた。それは、80年代の真梨子さんだったからだ。

でも、今日こそ、そして今がBESTといえるヴォーカル表現であった。

なぜならば....

ステージから聞こえてくる感覚の真梨子さんの鼓動は、とても穏やかでリラックスしたゆとりのある鼓動だったからである。そこには、数年前の命を削る少し悲鳴にも似た瞬間が感じられない。

曲の詞の世界の中で、ト書きの物語の部分と主人公の感情の部分のメリハリが効いている。思わず、自分の左手の指が真梨子さんの声の張り上げに合わせて、まるでコンダクターのように動いてしまう。そう、真梨子さんの左指が動くように。

​何十回と聞いてきた「ごめんね」。

1コーラス目の淡々とした感じから、後半に向けて感情が高まっていく。

ゆとりがあるから、音の伸びがとてつもなく良い。

真梨子さんを後ろから照らすライトが、頭から背中にかけて淡いゴールドの輪郭を作って、真梨子さんの生命の輝きを彩っていく。あの、左右から突きさす雷鳴のようなスポットの前に、情熱のスカーレットのライトが真梨子さんを後ろから包んでいく。そして、そのシーンの連続が、あのHardに強く声を張り上げる「Heart Breaker」を、強いバラードに変えてしまった。

こう体感した瞬間、「for You...」も

「BAD BOY」も凄いことになると直感。

八分のリラックスした体から発声される弦楽器の声質は、もちろんとても深い大きな愛に満ちた優しい語り掛けとなって、自分を包んでくれる。まさに、素の自分の魂が愛の波動に共鳴していく瞬間であった。

こんなことを書く煩いファンが来ていることをまるで知っているかのように、グランパでは、5秒間目線があったままうなずいてくれるような歌唱であった。もちろん、スーツ姿の私は、真梨子さんが見えるように声を出さずに大きく一緒に歌っていた。

数年前にも、八分の力で歌う真梨子さんを表現したのはこの神奈川であった。でもあの時は、体力的にそれしかできなかったのだと思う。その時は、「真梨子さん、無理しないでこれでいいんだ」という感覚であった

今日は明らかに、真梨子さん自身がコントロールしていた。まさに、今がBESTの未来形である。

しかし同時に、真梨子さんのコンサートはカウントダウンが進んでいく。

「far away」で描かれるように、悠久の宇宙の中を魂は彷徨っていく。

その刹那の瞬間に、

真梨子さんと出逢えた幸せを

私は大切に感じ取り続けていきたい。

​(2019/11/03記載)

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(C)THE MUSIX
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