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2022年の♪HEART

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(C)THE MUSIX 2011 SOIREE

真梨子さんは、今年も「HEART」を封印した。やはり、去り際をどうするかはひとつのテーマであったのだろう。

今年のラストシーン。

背景からのライトに照らされて消えていく真梨子さんのシーン。

もちろん歌詞にあるように、「流行り歌のいい女」を演じてきたわけでもない。

それは、49年のステージを経て初めて許されたシーンなのだと思う。

 ♪はじめて素直になれた

  はじめてふたりになれた

シーンなのである。

そのメッセージは♫「海色の風」のさびの部分にあるヘンリーさんの語りかけの言葉と対になる。

​それは、自分を許すということであった。

our Days 2022

そのイメージを象徴するライティングがある。

♪「海色の風」のライト。

ハーバーライトのような光が、螺旋階段のように曲線で真梨子さんを照らしていく。

そして、♪「THE ROAD」。

上からのライトで、左上から右に向かってライトが直線的に流れて動いていく。

その本数は24本。

そして、天井からの8本のスポット。

左斜めから真梨子さんを照らす色のない白色のスポットライト。

明らかにこの2曲は対になっている。

それは、昭和24年生れのTHE ROADを象徴しているかのようである。

そして歌ってきた真梨子さんとともに、そのステージをつくってきた8人のヘンリーバンドのメンバーへの感謝を表しているように感じられる。

さらに1本のスポットは、実は​ステージの上ではやはり孤独であるスターを照らす、命のライトなのである。

ラストにそのスターは、一人の女性に戻って消えていく。​私たちの心の絵の中に愛のシーンを描き続けたまま真梨子さんは消えていくのである。

(2022.03.03)

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