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それは真梨子さんからの贈り物

2022/02/06 東京国際フォーラム

誰かが、真梨子さんに何かを伝えたのであろうか? すべてにおいて、立川とは違う。

当然、1/27は様子見のフルバージョンであり、体力的にも心配であったのだと思う。ただ、それでも、言葉を置きに行くこともなく、またブレスが大きく乱れることもない素晴らしいステージであった。前半から体の力を抜いてステージの抑揚とアクセントをつけていたのだと思う。特に、「ごめんね」はあっさりとというのが、その一つのサインでもあった。

本日の座席は、27列目のほぼ中央。音響操作のTA席の2メートル後ろである。だから、ホールの音響的には素晴らしい音像の中にいる。しかも段差がだんだんと上がり始めるところである。​だから、前列の席の方が全く気にならない。周囲のマナーもよい。よって、40メートル先の真梨子さんまで一直線である。じっくり聞くための席であるといえる。

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今日のステージは、2019年11月09日の高崎芸術劇場を超えた出来であった。

それは、私の中で新たな伝説となるコンサートである。そして、過去10年の中でもベストのコンサートのひとつと言ってよいであろう。

とにかく、1曲目から、これでどう?と言わんばかりの声量である。

か弱いときは、一つのフレーズが途切れてしまうことがあった。今日は、1つのフレーズの中に、抑揚がある。声が出ているし無理していない。体も右にひねらない。そして、好調時のしぐさが左手である。まるで、指揮をしているかのかすかな動きが感じ取れる。

当然、各曲の出だしの入りも丁寧だ。

ピッチもすごい。

「五番街のマリーへ」は、何でこんなに奥が深いのだろうという世界の広がりである。

とても、安定して聴き心地が良い。

存分に喉を響かせている。

やはり、低音で勝負してきている。

​あっさりとしていた「ごめんね」が情感が込められている。吊り下げられた、20本ほどのバーの金色のようなライトが並ぶステージ。どこかしら教会の中で歌っているかの錯覚に陥った。

そして、その光はいつしか星の河となり、過ちを昇華させていくかのようだった。

女性ファンの中には、その歌詞内容からそれほど聞きたくないという言葉が出てくることもある曲。しかし、別掲の通り、相手との距離感、ということでとらえていけば、もちろん必要な曲である。

そして私にとっては、その日の真梨子さんの調子がわかり、「for you...」の期待を抱かせてくれる曲なのである。

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(C)THE MUSIX
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(c)日刊ポーツ20220128

OLD TIME JAZZ 」の低音が響く。倍音の和音になって幾重にもなった音の響きが聞こえてくる。

何でこんなにゆったりとした時間が流れるのかというくらいの「Unforgettable」。

そして、前回少し早いと感じた「君と生きたい」。今日は、立川よりも落ち着いた入りである。テンポもちょうどよい。

この曲は、イントロの3つの音のほんの少しの間で決まる。ここであまり弾んではいけない曲なのだと思っている。

その感覚が難しい。真梨子さんの息遣いとのまさに呼応である。

前回同様、この10年間で一番の仕上がりの「for you...」。さびの部分のムービングライトが、​あの曲を連想させる。

がらんとした舞台の左上から一本の白色ライト。そして、光の中へ溶け込んで消えるエンディング。

すべてが、真梨子さんにいただいたプレゼントのようなコンサートであった。

あと5年。真梨子さん大丈夫です。

(20220206記載 0207改訂)

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