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後夜祭の「響宴」

2022.06.30 ロームシアター京都
 
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2日間続けてコンサートを見るのも久しぶりだし、それが地方会場というのも初めてだ。

16:45の開場迄、いろいろとプランはあったのだが、

あまりの暑さにいつもの東寺探訪はやめて、京都鉄道博物館と京都大学総合博物館の探訪にきりかえた。

京都大学から、東山二条迄はバスで10分。

100メートルで、ホールに着く。

入場開始まで、1時間30分ある。ホールは、1Fの通路が南北に伸びている。まさに、これが客席の幅である。

直方体の箱を横に置いたようなホールだ。

開始まで、ホールの歴史を流しているVTRを見ていた。建築の様子やこけら落とし前のリハーサルなどの模様も流れている。

その時、「あー予想以上に低音が響くね」という舞台演出のメイキングの様子の声が、VTRから聞こえてきた。

 

コンサートが始まり、昨日よりは大人なしめだが、いつものようにツアーTシャツの塊が立っている。

また、マリーズ会員ではない、最前列右方のご夫婦が、席より1メートルほど前に出ていて手拍子している。そしてステージのヘンリーさんがサービス精神旺盛で、舞台際近くでギターを弾いているのがよく見えた。

昨日6/29は、音は上から聞こえる感じなので今一つなのは仕方がない。しかし、今日6/30は、左ウイング席2階で、見下ろす感じなのだが、1階客席がかなりの段差で上がってくるので、近い感じがする。しかも音響操作席17-18列と同じ距離であるので少し期待したい。

真梨子さんの声の出はとてもよい。

♪桃色吐息 も ♪ごめんね も精一杯歌っている。

2日目は早く終わるからどの曲も精一杯に........とも思うが、左手はメロディラインに合わせていても上げずに、右手と体の前で軽く組んでいる。

それでも、高音部の張り上げが自然にでてくる。

その姿を25メートルほどの距離から眺めたとき、

昨日以上の調子の良さを体感したのだった。

ただ、少し残念。これは、ホールの特性が影響していると思うのだが、ヴォーカルの声がこもっている感じがした。いや、調子が良すぎて声量がすごく、その反響が直方体のホールですごすぎての現象ではないかと思う。

そしてさらに、ヘンリーバンドの演奏とともに残響が増幅されていく。だから、前半ラストのライブ三曲は、マイクで拾った声が増幅されて、スピーカーから流していますよという感覚で、増幅感がそのまま出ている感じで、自然な感じではないのだ。

そして、第2部。真梨子さんの声がとてもクリアーになった。トーンコントロールをしたのだと思う。

しかも高音部分がとても済んでいる。

これを聴きたかった。

真梨子さんは、昨日に比べて、ドリンクをほとんど飲まない。

そういえば、一部の♪OLD TIME JAZZ のイントロも、後ろに下がらず、サックスのアンサンブルに体を向けているが、昨日のように指は鳴らさない。

そして、曲の入りはスムーズでとても色っぽい。

♪フレンズも ♪for you ...も、「ぽつん」と赤い真梨子さんが立っている。

そして、♪愛する人へのメッセージ のひと言ひと言が良く聞こえてきた。

だから、星と星を結ぶラインが、それぞれのステージ、そして真梨子さん自身の人生のステージをつないでいるのだろうと思えてきた。

Last Date

真梨子さんの魂は、宇宙の星屑の中を去来せず、

荒むことなく、穏やかなラストステージを迎えている。

だから、

♪海色の風 のエメラルドグリーンの光の層

そして

♪The Road のブルーの光のグラテーションが

とても鮮やかな、穏やかな空気感を演出してくれた。

ラストのスタンディングオベイション。

真梨子さんは、いつものように後ろには下がらず、

中央に立ったまま。その真梨子さんを包むように、

ヘンリーバンドのメンバーが前に進んできた。

その姿は、ずっと客席との一体感を体感していたいというアーティストの本音ではなかったか。

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​そして、二日間のコンサートの余韻に、自身も別れを惜しむような挨拶の仕方であった。

 

そのような、エンディングを観ていると来年のことが心配になる。

実は二日間とも、来年のことについては、少しトーンダウンしたかのようなお話の仕方である。

もしかしたらやるかもしれないし、またどこかで会えればいいな、ディナーショウ? という感じである。それは、札幌公演での、「都道府はやる」というお話からは後退しているかのようだ。

しかも、加山雄三さんのコンサート活動終了のお話しにも触れて、「声のでるうちにステージを降りたい」というのは同感で、「もう歌えなくてというような感じでは終わりたくはない」ということもお話しされている。

「でも、ディナーショウとかで歌ったりして....(笑)」と含みは持たせていた。

私の見解はこんな感じだ。

コンサートホールの予約は、どんなに短くても1年前である。しかも、地方公演は、資材の運搬や人員の配置だけでもかなりの運営費がかかる。

そして、スポンサーの岩谷産業さんのこともある。実は、コンサート1週間前が、株主総会であった。

だから、軽々しく来年のことに触れられない時期でもある。また、支援の総額の枠が減少すれば、コンサートの回数も影響してくる。

だから、「都道府」の中に、岩谷産業さんの大阪府の公演はあっても、京都府はないということだと思う。実際、このツアーも大阪→神戸→京都→大阪と3カ月に関西8公演が集中している。

実際、6/30もリセールチケットはあったし、私の目で見える範囲で、4階席は目立つ空席があった。

もちろん、プロモーターへの一括販売だろうけれど、ファンの高齢化も進めば、毎回毎回コンサートに行くのは、私を含めた一部の塊のファンだけである。

また不思議なのは、ディナーショウで...という言葉なのだ。

そもそも、値段が高いからあまり言えないけどと、ディナーショウのことは普段のステージでは話さない真梨子さんなのにである。

よって、来年の50周年、ヘンリーさん80歳の記念公演は、かなりコンサートホールも都市もしぼられていて、具体化してきていると私は予想している。

あくまでも予想だが、​ゲネプロは川口で行い

川口 東京2 横須賀 大阪2  札幌2

福岡2  大阪2   東京2

の14公演ではないだろうかと私は思っている。

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帰りの新幹線の中で、

なぜか高校の文化祭を思いだした。

二日続きの文化祭。

ラストは、校庭でキャンプファイヤーでしめる

後夜祭であった。

今年の「京都の夏のコンサート」は、

前日の3メートルの奇蹟。

その余韻を残したまま、二日目はまるで後夜祭。

それは、哲学者がオリンポスの神々からの神託を受けたかのように、人の神性愛を語り合ったギリシアの「饗宴」ではない。

文字通り心に残る音の「響宴」なのであった。

 Last Date「響宴」。

そして、

Last Dateの後の記念公演

「後夜祭」を

来年​ぜひとも期待したい。

(2022.07.04記載)

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