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あらためて見る赤の金ラメ衣装

2022.06.29 ロームシアター京都 
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 (C)TBS 1982
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 (C)THE MUSIX
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私には白のイメージが強い真梨子さんの衣装で、赤系の色は、意外にもかなり使われている。

今回の第2部の衣装で、あることに気付いた。

それは、それぞれの席で見る、背景と真梨子さんの大きさとの比較でのイメージである。

いわば、画角による違いだ

 

真梨子さんは、若かりし頃からドリス・デイやナット・キング・コールの曲のレッスンを受けていた。

旧九州女子高や駒沢女子高の校舎を思わせるクラシックな窓、その窓から見える夜空の向こうには、♪Unforgettable のメロディーに乗せて、

希望の星が輝いている。

 

その後、ステージの真梨子さんは、校舎の外つまり社会にでて、いつしかスターの階段を駆け上がる。

真梨子さんは言う。

「芸能人なのに、芸能人らしくない存在でいられた。それも、皆さんが静かに応援してきてくれたおかげです。」と。

確かに、17歳で渡辺プロダクションに入り、若手の女性スターたちに囲まれていた。

でも、真梨子さんの選んだ道は、当初の希望のアイドルスターになることではなく、自分の歌いたい歌を唄う道であった。

これを真梨子さんは「何ものにも媚びずに唄ってきた」と語ったことがある。

一言でいえば、アルバムシンガーやコンサートシンガーへの道であった。

「テレビよりもアルバム。アルバムよりもステージ。」というMCの言葉を38年前に聞いている。

赤い金ラメの輝きは、媚びずに生きてきた、真梨子さん自身の秘めた情熱を象徴していると思う。

 

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 (C)cafecompany.jp
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♪フレンズ のシーン。

うす紫色の校舎の背景で、ポツンと真梨子さんの赤い存在が歌っている。遠くから見ると、それは「ぽつん」とである。しかし、5メートル先の大きな真梨子さんが、自分の画角のスクリーンに映るとき、背景はまさに遠景となる。

それは、金ラメの輝きが、本人にとって望まないスターへの階段ではなく、本当の自分自身であろうとする姿、納得して評価されたい、そんな熱い輝きを表しているように見えてくる。

原曲の「赤く赤く」フレンズの編曲に乗りながら、「修羅のごとく生きた」真梨子さんは、

赤い衣装をまとい、

「煌めいていた そして...」あの螺旋階段を進んできたシンガーなのである。

♪for you...

今まで何度も書いてきた。

シンプルな青の背景と赤の対比。

芸能界での処し方、世間の目、ト書きのような淡々とした生き方の青。冷たい感じの青。

自分の夢を秘めて、自分自身で納得して、ステージで情熱を表現してきた赤。熱い赤。

だから、ラストの青の雲海のような色の層は、そういう世界の中を、そして世間の目の中をひたむきに生きてきたSingerの積み重ねのグラデーションなのだ。

そして、大切なのは、白黒のモノトーン。

♪フレンズ も ♪for you...も モノトーンがある。

それは、曲終わりの、スポットが外れた位置に

立つ真梨子さんのシーンである。

それは、まさに広瀬まり子さんがアーティスト高橋真梨子として表現してきていることを表している。

まっすぐに立っていてほしい。

そして真梨子さんは、そんなリクエストをずっと具現化してくれている。

その曲終わりのモノトーンの余韻が、

青と赤の対比にある「本当の高橋真梨子の存在」なのだとも思う。

​そして、ラストに真梨子さんは光の煌めきの中に永遠の存在として消えていくのである。

(2022.07.02記載)

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(C)THE MUSIX
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