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星のないGalaxy

2022.10.10 東京国際フォーラム

真梨子さんは元気だ。

「来年50周年なんです。

 今年はラストツアーだから.....

 ツアーがラストだから....

 来年もやろうかな? 」

周囲が決して無理強いすることなく、あとは真梨子さんの判断次第。

♪「やさしい夢」を歌わなかった理由、それは自分のささやかな夢より、もう少しファンとの時間を大切にしたいから。

そして♪「やさしい夢」を二日間歌唱した理由。それは、一緒に若き日の夢を見たい気持ちになったから。

WOWOWのスタジオライブの薄紫色の衣装で、少し憔悴した真梨子さん。

そして、赤い金ラメの衣装で登場する

Stage singer「高橋真梨子」。

​「まだできるよね」

そんなファンへの無言の問いかけが、そのの言葉の中で、本音を語っていた。

2022.10.10

真梨子さんのコンサートの軌跡の中で、ベスト5に入る歌唱であった

私が鑑賞してきたコンサートの中で伝説となっているベストパフォーマンス。

2015愛知芸術劇場、2019高崎芸術劇場。

いや、「今がBEST」である。

今日の座席は、2F7列41番。まさにstageを見おろして、1Fの客席は前方10列ほどしか見えない。3列目中央にオレンジ色の古くからのファンの方がいる。

真梨子さんまで、60メートル。

しかし、中央のメインスピーカーよりやや下の目線。左右に3つずつアクティブなスピーカーがある。えっ?フォーラムってこんなにいい音なんだと、全音域にフラットで拡声した感じがない。高音部の透明感もよい。

つまり、真梨子さんのヴォーカルがダイレクトに息遣いまで体感できる。メンバーのステージ上の位置関係も聞き分けられる。

​ステージを遠目に見て参加できていないのに、ライブ感がある。

人一倍、真梨子さんのLPやCDを、真梨子さん仕様のAUDIOで再生してきたのは、私である。

ある意味、うるさい存在かもしれない。

しかし.......

スクリーン越しの真梨子さんは、とてもリラックスしていて、無理なく声が出ている。リラックスしているときの手の動きだ。グルーヴもいい。

しかも、コンサート全体の中での楽曲の色付け、いい意味での力の抜きどころ、抑揚感が今日はあまり感じられない。

最初から、すべての曲に全力なのだ。

最大のヒット曲で、実は曲の入りが微妙な音程で中間音の発声には難しい♪ごめんねの出だしも、今日は大きな違和感がない。

体調が悪かった10年前は、かなり苦労したと思う。そんな不安も全くない。
 

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(c)Kenji Hoshokawa
2022ourDays
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(c)THE MUSIX
 

♪OLD TIME JAZZ にステージが展開する宮原さんのピアノが、彼のコンサートマスターとしての存在を煌めかせ始める。

♪君と生きたい の入りは早い感じだけれど、実は真梨子さんの中でのテンポはスローだ。装飾音が入っているからやや早く聞こえている。

もう少し君のことを知りたい

もう少し、一緒に夢を見ていたい......

とても素敵なメッセージがそこにある。

だから、二部は一緒に立ち上がって楽しみたい。そんな真梨子さんからの想いが込められている。

 

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(c)@まりスタ

♪やさしい夢

後方からのシンプルなライトで照らされる真梨子さん。

ブルーライトが、スカーレットに代わる。

淡いナイトブルーの ♪フレンズ

その背景に、真梨子さんはひとりポツンと立っている。そして、衣装がスポットライトに時折キラキラと小さく輝いていく。

そして、♫ for you...

ブルーライトが、真梨子さんの背景を照らす。それがフォーラムの天井に反射して、まるで銀河のように広がっていく。しかも、淡い緑のライトが左からから自然に動き、グラデーションのように光の層がその銀河の中を動いていくのだ。

星はいらない。

その銀河にいるのは、「高橋真梨子」だけでいい。

♪My Heart NewYork Cityで、

銀河の果てを彷徨い荒んでいた魂は、

とっくに許しを得て、真梨子さんに戻ってきている。

星のない銀河

ステージ上の煌めく星。

その星が、スカーレットの背景の中で、さらにより輝きを増していく。

そこには、

熱く激しく出逢った高橋真梨子がいる。

曲終わりの余韻も素敵だった。

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広瀬まり子さんと「高橋真梨子」のステージの時間を、あと少しだけ共有できそうな嬉しい予感と実現してほしい想い。

そんな思いを秘めた自分を、夜景の東京駅が迎えてくれた。

明日へのスタートである。

(2022.10.11記載)

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