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93-94の軌跡 歌い直した名曲
今回、高橋真梨子さんの音楽活動を総括してまとめていく中で、どうしても触れておくべきことがある。それは、93年のCarnegie 94年のRoyal Albertでの公演の熱の中で目立たなかったことである。
しかし、2020年から鳥瞰図的に俯瞰して視るとそれはとても大切な活動であったと思う。
そして、真梨子さんはそれをさらっと当たり前のごとく取り組んでいる。
それは、かつての名曲の「デジタル化」である。12曲歌い直してNEW Versionとして録音している。
確かにCDはリリースされていても、アルバム「AFTER HOURES」以前は、アナログ音源のリマスターである。だから、オーディオ機器では、平坦ではあるが広がりのあるアナログ音が、さらにエコーがかかったようなCD音になっている。各楽器の音の中での位置関係はどちらかといえば、フラットで中央によっている。もちろん、録音されていないその場の空気感は再現されない。
だから、それまでは「for you...」はアルバム「DEAR」の音源であったし、マリーやジョニイはライブ盤「5TH LOVE AFFAIR 」の録音音源が、FM放送では流されていたのである。
名曲のデジタル化の取り組みは、BEST盤であるSpecial Best 「Collection」と「VOICE」に収録された。
その後、千趣会でリリースされたBESTアルバム「MARIKO」で企画されたのである。(詳細は別掲)
特に、「VOICE」での録音方法は、ビクターのオーディオ技術の粋を集めた 20bit K2Mastering 機能で録音されミックスダウンされた。これは、通常の16bitのCDの録音時に、カットされる音域帯の信号を収納し、かつ再生時にはノイズを低減して再生する機能である。20bitは、通常の16倍の情報量を収納できる。その後の24bitは、256倍ということになる。
さて、その音楽活動のプロセスを下記に図として表してみた。
3本のラインが走っていることを感じ取れると思う。そして、VERSEの前半は、CARNEGIE色が強く、SpringVersionは、Royal Albert 色が強い。