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AFTER HOURS 1982
VictorEntettainent VIH-28105
VDR-1420 VICL-5168
VictorEntettainent プロモーション盤
アルバムDear の結末は、永続的な赤い愛ではない。すでに、失恋相手を許している自分がそこにいる。
AFTER HOURSとは、何に対しての時間帯なのであろうか。
知り合って、どこかに初めて出かけるワクワクとしたデート。
夏空駆けて愉しんだ思い出。しばらく逢えないと寂しく体を震わせた終電車のベル。また来週って言ったのに電話に出ない恋人。
携帯はもちろん、留守番電話なんて当時は存在しない。
駅の改札で待っていた彼女。
愛し合った後の時間。
そんな純な恋愛の後に待っている、ふと自分に問いかける客観的な瞬間。
そのうちに秋になり、涼しい風が吹いてきた・・・・
あれだけ学生運動に、集会に出ていたのに就職だといって、髪を切ってきた彼。そんな名曲もあった。
午前3時に、LPレコードを聴いている人はまれかもしれない。
しかし、そんな恋愛の終わりをふと頭の中をよぎらせる回想の恋愛がAFTER HOURSである。
名曲中の名曲「涙もろいペギー」
例によって3曲目の「ジャズシンガー」。
後年真梨子さんがインタビューで応えていた、歌っていて涙がでてきてしまうので、コンサートのセツトリストからはずしてもらったという名曲「女友達」。
TVドラマ「花ホテル」の主題歌として使われた「Come back to me」
そして、7曲目の「DJがいつもかけるうた」。
今も、輝いている「OLD TIME JAZZ」
ゆったりとした時間が流れる「二人でスローダンス」。
本当に名曲中の名曲が並んでいる。
夜明けから、赤い恋愛、そして失恋相手を許した心の時間
LOVENDOW から始まるそんな、恋愛3部作が見事に完結している作品である。
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1982年伊藤強先生との対談より転載
「AFTER HOURS」について、真梨子さんはこう語っていた。
「ひと昔前の私の雰囲気を、メロディーやサウンドではなく、言葉で出してみよう、ということをヘンリーとしゃべったのね。それと、歌のテーマは、恋愛論ばかりではなく、もっとほかのこともさがせるだろう、とうことも。そしてトータルなイメージをはじめから作っていくのではなくて、ひとつの歌から、そのつぎの歌ができていくというやりかたをやってみた。
たとえば『涙もろいペギー』という歌があって、つぎに『女友達』ができてくる。最初のほうは、ペギーが歌われているのだけれど、あとのほうの歌では、ペギー自身がうたっている感じ。だから、出来上がってみたら、それなりに統一感みたいなのがあって、ヨカッタジャナイということになったのね。それと、バックの音は、同時録音したケースが多いの。微妙に乗りが違うのよね。」
(MDF音楽館2007 掲載記事再編集 2020/07/25)
ORIGINAL ALBUM
1.Lovesick Highway
2.涙もろいペギー
3.Jazz Singer
4.女友達
5.come back to me~
フラワーホテルの女客
6.この気分が好きよ
7.DJがいつもかけるうた
8.OLD TIME JAZZ
9.二人でスローダンス