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映画色の街

20160724 東京国際フォーラムレポート -2

「瞳はダイアモンド」は、1983年の呉田軽穂さん作曲の作品である。雑誌の企画かもしれないが、真梨子さんは、松任谷由実さん尾崎亜美さんと、今で言う女子会をしていた仲である。この年、真梨子さんは、名アルバム「我蘭憧」をリリースしている。

さて、映画色の街って、どこなのだろう。そして映画色とはどんな色なのだろう。この曲を聴いた時、真梨子さんは素敵な曲と感じたそうだから、心象風景を描きやすい曲なのだと思う。

もとより、20台前半の学生時代に聴いた、この曲とカップリングされていた「青いフォトグラフ」は、宮本輝さん原作の「青が散る」のドラマ主題歌でもあったので、私もこの2曲はよく覚えている。

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真梨子さんは1990年「FANTASIA」で、「Every time I Feel

Your Heart 君と生きたい」を発表した。

この曲の中で、地下鉄が出てくる。

この地下鉄が、詩の中のシーンでありながら、あるエリアを示していることと、新しい部屋、カレンダーという歌詞が、実はかなり真梨子さんのプライベートに近いとも感じ取れると思ってきた。そして、アルバム「Dear」の「歳月の窓」にも通じるのではと一人思いにふけっていたこともある。

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そのエリアとは、表参道である。

さて、私は、高校の時から、縁あって神宮外苑、絵画館、迎賓館、青山一丁目、赤坂周辺。そして、渋谷に向かえば、表参道や原宿あたりの地理に詳しかった。

原宿から向かうのではなく、青山通りから原宿へ向かうのが映画色の街のような感覚である。

地下鉄 銀座線・半蔵門線で、渋谷を進行方向にすれば、右手が表参道の入り口。道路と反対側に目を向ければ、西麻布へと通じていく。

カジュアルでお洒落な街並みである。

THE MUSIXは、赤坂見附から10分ほどのところにある。

ビクターは、外苑前と表参道の中間にある。

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1996年、真梨子さんは、アルバム「RIPPLE」の中で、「Lonely Subway」を発表している。

何かお気づきだろうか。

♪「先に店を飛び出しても貴方は追いかけない」

 「外は夕暮れオフィス街 仕事を終えた後の

 華やぐカフェテラスが 明かりを点ける」 

浮かんでくるのは、青山や表参道の街並みである。

そして「君と生きたい」とリンクしていないだろうか。

そして、「瞳はダイアモンド」から繋がってくる景色が見えてくる。

♬「あなたの傘から飛び出したシグナル

 背中に感じた追いかけてくれる優しさもない」

心象風景の連鎖があるかのようである。

1983 瞳はダイアモンド

1990 君と生きたい

1996 Lonely Subway

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「Every time I Feel Your Heart 君と生きたい」は、1年間のFANTASIAツアーでフルバージョンで歌われた。

その年のツアーでは、「for you...」はセットリストに入っていない。つまり、コンサートで歌っていない。

 

それから、真梨子さんは10年間この曲を封印する。

次にステージで歌ったのは、

2001年「mariko in the box」である。

この10年間、真梨子さん自身も大切にしたい曲と答えていた。私は、インターネット上でいろいろとファンの皆さんとやりとりしているなかで、青山や四谷三丁目のことを述べて心象風景をいろいろと展開していた。

10年ぶりに、ピアノのイントロが流れた瞬間、大変嬉しかった。多くのファンの方が、コンサートで初めて聴いたとのことであった。

オリジナルバージョン アカペラ 

そして今年の少し Jazzy なバージョン

どれを聴いても真梨子さんの世界がある。

そしてこの感動は「Tear」で新たな感動を生んでいく。

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一つの曲を大切に聴いていく。

コンサートに行けなくてもこれも立派な応援だと思う。

(2016/07/29 補足記入)

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