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Eternally

1988/9/26 NHKホールほか

「このコンサートのタイトルを観て、私はいよいよ髙橋真梨子のコンサートもここまでかと思ってしまった。

当時としては結構、衝撃的なタイトルであった。


もとより、『仕事として歌っています』というプロ意識が、ときとして誤解を生んでいた。

それは、歌手は歌が好きで、その歌い手の人生そのものであるという間違ったイメージを当時の一部の新聞記者が持っていて、よほどそのインタビューのときの真梨子さんの印象がよくなかったのであろう、曲解された新聞インタビュー記事を私も見たことがあったからである。

もとより、歌謡界では大きなプロダクションの力が現存していて、何かに媚びることがヒットの条件でもあったと思う。その中で、仕事であると言い切る真梨子さんは異質であった。

そんな古い体質の残る芸能界の中での、このタイトルである。
『いつでもやめる』と普通に言っていた、少し気の強い真梨子さんでもある。」


2020年9月。高橋千秋楽のプロモーション活動も終わりに近づき、ステージを降りるという真梨子さんの決断と「ほのかな幸せ」を夢とする思いに触れたとき、まったくぶれていない真梨子さんの姿勢に感動する。


ここにまたNHKホール最前列のコンサート記録がある。
近年の私がよく書く、「女神の恩寵」という光のイメージを、実は32年前から感じているのである。

そして、かっこいいお姉さんの真梨子さんは、

すっかりと美女高橋真梨子になっている。


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1988/9/26
ずいぶんステージが広く見えた。真梨子が近くにいた。
あのぶつけるような歌声がなくなって、優しく、

BLUESetteで残した余韻を
「翌朝の朝もや」(レイトリーで描かれた紫の朝もや)につなげるような、神の光のような光の糸を感じた。アメリカ西海岸の太陽と光、潮なぎを感じさせる暖かさである。
ファルセットにならず、声のつやそして幅もあり、
安心して観ていられるコンサートであった。ただあえて言えば、曲がよすぎてかえって構成のメリハリのない部分があったかな。

Samba Magicから激しくなる。
しかし、だからこそ、for you...が生きていた。

行ってよかった...

でも、真梨子のコンサートもあと数年かも知れない...

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そして、32年後大きなコンサートの幕が閉じ、

その後のアンコールの幕が上がらないままである。

(MDF音楽館2007掲載文改訂 2020/09/05)

THE CONCERT 1979-1989

フォローウインド 
愛はルフラン
OLD TIME JAZZ
MA-MO-RU 
グランパ
NO MORE LOVE

窓辺のアダージョ
愛のプライド
ネイチャーBOY
恋する瞳
想いでのSENZALA
捨てられない 
Souvenir
Samba Magic

ノンフィクション
虹の水
stop my love
for you・・・


桃色吐息
悲しまないで

 

DSC_0049.JPG
(C)THE MUSIX 
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コンサートアンケートに書いた文が、アンケート全てに目を通す真梨子さんに響いたのか、プレゼントに当選して届いた幸運のパンレット。
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