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FOREST

1986/9/21 NHKホールほか

蜃気楼オリジナルLPバージョン)
にがいラプソディ
二度目の恋人

黄昏人

ジゴロに警告

ディスティニー
ブルースを聞かせて
桃色吐息

歳月の窓

ノンフィクション
LOVE ME ,HOLD ME, KISS ME 
stop my love...

嵐が丘

for you...

涙もろいペギー
レイトリー

ランナー

映画「化身」(当時宝塚を退団したばかりの黒木瞳さんのデビュー作)のテーマ曲として「黄昏人」がリースされている。もちろん映画用に作成されたものではない。
アルバム「FOREST」は、どちらかというと不倫や情念、さだめといった色合いの濃い印象のあるアルバムである。当時は、エスニック調というブームの中で、髙橋真梨子ならこう表現するという世界が展開された。

でも、この中に『ブルースを聞かせて』や『二度目の恋人』などほっとする大人の時間が流れていた。

当時のミュージックフェアで、『ブルースを聞かせて』を歌った貴重なVTRを保存しているが、何度見てもぞくぞくしてしまう。

86年のFORESTツアーは、まさに恋を包み込むような森をイメージした舞台。

少し違う言い方をすると、竹取物語の竹を割ったような舞台である。まさに、真梨子さんが中心に輝いている。

森の奥の方へ奥の方へと入っていくと夜になってしまった。嵐にあい夜明けが来た。一筋の明かりが見えたときその妖精は朝もやの中に消えていった。

そのステージを取り囲むように円形の照明リングがあり、かぐや姫の輝く竹の切り口のようなイメージの中に真梨子さんが立っていた。

 

「黄昏人」と「桃色吐息」を対比させている。

第2部は、「歳月の窓」の素敵なイントロが印象的。しかし、ノンフィクションから情念の嵐が吹き始める。

ステージは緑の光から、夜の闇と赤へと変化した。

その魂は、「for you...」で過去を思い浮かべさせ、「涙もろいペギー」で友人の失恋を自分の過去にオーバーラップさせる。まさに、真梨子さんのように。

名曲『レイトリー』。真梨子さんはMCの中で、

「私はいろいろな歌を歌ってきましたが、楽器で一番必要なのはパーカッションだと思います。でも、そのリズム楽器なしで歌ってみたのがこの曲です。」と前置きし歌唱し始めた。

このFORESTでは、パーカッション担当の みさわまたろう さんが、真梨子さんのフラットな声質に合っているため、レコーディングの仮の歌詞入れから、コーラスまで担当していた。また、デジタル音源をほとんど使わず、ヘンリーバンドの演奏のみというのがコンサートの醍醐味を盛り上げた。

 

真梨子さんがスカートに着替えたのもドラマチック。

綺麗な脚が見えるスカートには驚き意外何もない。

最後のいたわり・・・いろいろな情景が目に浮かんできた。

明け方家に帰る・・・その後ろ姿をみている3歳年上の彼女。思わずうしろからそっと抱き寄せ、やや栗毛のセミロングの髪に触れながら耳元にそっとキスをする。そんなソフトな別れのようなイメージがした。

そして、この情景は、PRETENDのジャケットに繋がっていく。

(MDF音楽館2007掲載文章 改訂掲載2020/08/21)

THE CONCERT 1979-1989
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(C)THE MUSIX
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