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黄昏のGradation  2015.11.01 東京国際フォーラム

 

今まで何度も書いてきたが、今年のツアーで象徴的なのは、「Painter 」で彩られるパステルカラーのライトとブルーのライトのコントラストである。それがパールピンクでり、情熱のスカーレットである。

 

ただ、その「Painter」が描けないもの、それが黄昏だ。

今年の隠しテーマに、「黄昏」があることはもうお気づきだろう。

単純に「黄昏のビギン」を歌われているからという判断もできるかもしれない。

「ブルースを聞かせて」の出だしは、トワイライトである。

 

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「桃色吐息」で使われるゴールドのライト。 銀色でもなく、桃色でもないライト。

そのライトは、波を打つように幾重にも色調の変化を見せる。

 

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「アナタの横顔」のイメージビデオは、いつも夕日に包まれて「家」の温かさを描いてきた。

いつもは、舞台左手から真梨子さんを照らすライトを含めて、右手から光に包まれた真梨子さんを映す「命のシルエット」が、東京国際フォーラムの楽しみであった。

しかし、今年は「旅の宿」のナチュラルホワイトの照明と、「虹の水」のスカーレットの照明が真梨子さんを後ろから包み込む。

そして、モニターには、ストレートに真梨子さんの綺麗な横顔が映し出されている。

 

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夏の暑い夕陽、そして、もの悲しい秋の夕日、そして日が落ちていく寂しい夕暮れの中、

時間を忘れて遊んでいた・・・・・・・・・そんな子どものころがあった。

 

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そして、真梨子さんは歌う。

 

 旅につかれ 道を戻り 涙こらえ 目を開くと ・・・・・・・ 

 

そこには、家族がいる、恋人がいる、そして 何かの希望に燃えていた自分がいる・・・・・

 

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いまさらながら、あのスクリーンに描かれているあの回廊の意味がようやく分かった。

古びたコンサートホール、ライブハウスへと続く、楽屋口、バックステージでもあり、

そして実は、その生きてきた証を、その瞬間を撮影した写真のフレームなのだと。

 

あの日 あの時 自分は何をしていたのだろう・・・ 

 

そんなとき、昔を振り返り、昔のつらい思い出もうれしい思い出も振り返ったとき、そこには自分を支えてくれた誰かがいたのである。

それを真梨子さんは、貴方でもなく 貴女でもない、アナタ と表現したのである。

 

そのシーンは、パステルカラーで生き様を描く、揺れる心理の画家には描けない。

なぜなら、そこには、恋愛や、希望に燃える愛、そして暖かい家族愛 があるからだ。

 

真梨子さんのコンサートは、そんな夕陽 ( ゆうよう) の時間帯に始まる。

まさに、黄昏の暮れていく夕陽、ゴールデンタイムの夕日に包まれていく時間帯である。

ゴールドのライトの色のGradation。

 

その色は、「桃色吐息」でありながら、「黄昏のビギン」のロマンチックな色に見えてきた。

 

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ソウルフルなそして、Bluesette な エンディング曲

「家へ帰ろう」は、見事にリンクしていくのである。

 

 

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