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光の降臨 2015.11.07 神奈川県民ホール

 

SINGER 広瀬まり子さんも、一人の生身の存在である。

45公演を通じて、体調の良い時もあれば、心理的に不調のときもある。「高橋真梨子」という存在であろうとするために、人一倍節制と努力を重ねていることは十分に承知している。だから、その日のコンサートの出来に関して、採点する行為に眉をひそめる方がいるのもわかる。

もとより、厳しい採点を公表することで一番辛いのは私自身である。

しかし、どこかで聞いた表現だが、その真梨子さんの真摯な姿勢に、採点ではなく努力賞と感謝状をおくるほど私は上の立場のものでもないし、そのコンサートという作品が完成されていないとしたら、それはまり子さん自身が、高橋真梨子を演じきれていないということである。

 

11.01の東京国際フォーラム33列目は、いつも客観視させてしまう位置だ。

公演ごとの好不調の波は確かにあるが、その不調はコンサートの前半と後半でも、差が生じるというケースもある。確かにあの日は、「黄昏のビギン」や「STARDUST」「酒と泪と男と女」など、真梨子さんの魅力が満載であった。「星の流れに」をかつて絶唱したように、完全に自分の曲であるかのように歌っていた。しかし、グランパの真梨子さんの間奏中の軽やかなステップを見たとき、ああやっぱりなぁと感じてしまった。それは、動きとは別に心理面は軽やかではないということだ。歌唱方法が固まった「for you...」は安心して聴いていられたけれど、他のオリジナルでは、カバー曲の素晴らしさとは別の感覚であった。それは、息が続かない、いろいろなフレーズの入りの音がズレる、音を探る。言葉を置きにに行っている。11.01の真梨子さんは、そういう真梨子さんであった。

つまり、カバー曲のように、男性曲やスタンダードで、真梨子さんがオリジナルに表現できる、弦楽器の声質の中低音で勝負できる曲は安定していたということだ。しかし、真梨子さん自身のオリジナルでは歌えていない。このことを「まり子」さん自身は、よく分かっていたはずだ。あの日のグランパのステップは、演じたステップであった・・・・・・・

 

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11.07 神奈川県民会館大ホール

 

一言で言えば、それは涙である。

 

高橋真梨子というSINGERの凄みをまた、魅せてもらった。

何十回、何百回と聴いてきた「for you...」 

今日は、私の頬を熱いものが流れた。

 

それは、私の辛いコメントの次のコンサートは必ず素晴らしいコンサートになると信じていたし、それを実現してきてくれたから・・・期待はしていたが、本日のコンサートは愛知のあのコンサートを超えて、今年一番の完成度であった。各曲の入り方は丁寧、声も続く。力の抜けも良い。だから、体をひねらなくても高音部が綺麗に出てくる。もちろん、中高音の響きは別格。

いつもいうように、そこにいたのは「高橋真梨子」であった。

 

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あの頃の私 今日までの日々を

見ててくれたのは あなた

 

まるで、ファンに優しく語りかけてくれたようなBalladであった。

真梨子さんは進化し続けている。そんな嬉しさが、一筋の泪になった。

そう、もしかしたら、今までの何百回のコンサートの中で一番感動したコンサートかも知れない。

あの11.01の真梨子さんでなかったら、今日の感動はなかったのかもしれない。

 

今年は、オフィシャルにコンサート直後の真梨子さんにお目にかかっているし

ニュートラルな位置で、コンサート記録を掲載していることは関係者にも告知している。

それだけに、きちんと応えてくれた、今日の「グランパ」のステップの笑顔としぐさも自然であった。

 

 

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天空から真梨子さんに降臨してくるかのような一筋の光。

それは、ナチュラルなライトであったり、ブルーであったり、パールピンクであったりする。

でもあの光は、何かの聖なる存在からの光が真梨子さんを包んでいるように思えてくる。

 

そして、それは、一筋の泪に形を変えて、感動を与えてくれたのだ。

 

まり子さん、ありがとうございます・・・・・・・

 

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