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Katharsis

2018.06.13

初回限定盤【CD+DVD】

VIZL-1385 ¥3,900(税込) 全11曲+45th Anniversary Movie(タイトル未定) *45年に及ぶヒストリーをライブ映像やオフショット映像で綴った貴重な30分Movie

1.追憶

2.カリソメ

3.キレイな女

4.雲母きららの波

5.逢いにゆくよ

6.サンタマリアの青

7.黄昏motif

8.Gracias

9.ミントの靴音

10.あの恋

11.約束

【初回限定盤DVD 】

45th Anniversary 2018 MARIKO TAKAHASHI Concertgraphy 1973〜2017

2018.06.13 21:30

45周年記念アルバム、いま1回目聴き終わったところである。そして、2回目の今、もう耳になじんでいる。

真梨子さんを応援した年数が長ければ長いほど、懐かしさが心の底からこみあげてくる感じのする素敵なアルバムである。

ヘンリーさんもおっしゃっている通り、あまり声を張り上げることなく、素直にまっすぐに歌っている素晴らしいアルバム。

今年は、新しいアルバムのコンセプトコンサートになるのだが、全11曲中、8曲ほどコンサートで真梨子さんが歌っているシーンと、どこにはまるのかが想像できた。

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私が1回目で感じた今回のコンセプトは、象徴的なワンフレーズである。

それは「 生命のstar 」である。

真梨子さんは、ステージで「絵空事の恋愛」のシーンを真摯に表現し続けて来た。

でも、真梨子さんはそれを現実のものであるかのような表現力で、心象風景を見せてくれている。

懐かしいとの感想を持ったのは、新しいアルバムなのに、今回のアルバム収録曲1曲1曲にモチーフとなる原曲があって、その曲に登場した恋人たちが、その恋は、その時は成就しなかったのだけれど、何十年後もあの時のときめきを秘めながら、今はこんな感じで生きているよという感じがして来たからである。

原曲の詩の世界という生き様を俯瞰してみて、今の自分と共鳴することで安心感に満たされる。いわばこの浄化のプロセスがあってこその、Katharsisである。イメージされる原曲やモチーフがあったほうが、むしろ客観的な視点で自己把握ができるということである。

もちろん、すべての曲が新しい世界観を持っている。

と同時に、こんな感じに聞こえてきた。

「追憶」 ゴージャス感と大人の時間を感じさせる、そのものズバリ「二人でスローダンス」。このオープニングだけで、もうアルバム「After Hours」の世界観が広がってくる。

そして、「カリソメ」は、松井五郎さん作詞・亀井登志夫さんの作曲。つまり、名曲「蜃気楼」の作家である。人は本当の自分、素の自分であることのまま生きるのは難しい。

「キレイな女」この曲は、真梨子さんの圧巻のパフォーマンスであった「星の流れに」をイメージさせる。または、「Mary's Song」かなぁ。とても懐かしいしゆとりがある。

「雲母の波」コンサートのメインの近くにもってくると思う。詩の内容は、真梨子さん自身が乗り越えてきたことなのだろう。そして、朝もやの紫色の「レイトリー」。別れたその後の恋人たち。

「逢いにゆくよ」は、かつてテレビ朝日で放送されていた「素敵にドキュメント」の主題歌であつた「遠いProphecy」のような、明るく前向きに生きていく希望を感じさせる曲。

「サンタマリアの青」まさに、高橋真梨子の世界。真梨子さんのコード進行。大さびの部分も聴きごたえがある。

「黄昏motif」 はい、思い切って書いてしまおう。

カバーアルバムで数多くの昭和の名曲を歌ってきた真梨子さんである。もし美空ひばりさんの「港町十三番地」を歌うとしたら、こういうテイストでという感じである。もちろん真梨子さんの曲なら、「ランブル」かな?。元気な明るい街に生きている。

「Gracias」 真梨子さんの真骨頂のラテン。「ラストメール」と組み合わせて歌うのかなぁ。「ミントの靴音」は、「Lonely Subway」で追いかけてこない恋人とのその後。そして、「あの恋」は、Simon & Garfunkel のアコースティックな世界である。

ラストは「約束」。短調から始まって、長調へと張り上げるこの曲は、コンサートのエンディングの曲。

大さびのフレーズもよい。名曲「Stop my love...」や「浪漫詩人」を想起させるのに、明るく終わる。

しかも、ラストの終わり方が自然にそっと終わる。

「HEART」「OVER」これらのラストナンバーは、すべて失恋の歌であっても長調の曲である。転調のバラードは、より明確に意識の変化を感じさせる。

そして、さびのメロディを流しながら、ヘンリーバンドの皆さんが下りてきて、真梨子さんとステージの中央で大団円のフィナーレを迎えるシーンが今からはっきりと見えてきた。

そう、この約束は、「廣瀬まり子」さんが「高橋真梨子」を演じる自分自身に向けて語りかけているのである。

自らの身体へと帰りゆく 生命のS​tar  

体調不良で思うように歌えなかった1996年と2011年。まさに、銀河の中をさまよい続けた魂が、今戻ってきたのだと。

こんな​真梨子さんのステージの象徴的なフレーズが、すべて関連してくる素晴らしいアルバムである。

改めて、1フレーズを大切に聴いてみたい。

2018/06/13 MDF音楽館 MDF

ORIGINAL ALBUM
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