top of page

Lady Coast ​1992.08.26

DSC_0052.JPG
(C)VICTOR  ENTERTAINMENT VICL-329
DSC_0054.JPG
ORIGINAL ALBUM

「はがゆい唇」がもう28年前というのはなかなか信じられない。

もちろんこの曲が、明日への希望を歌っているかといえばそういう感じはしない。しかし、同様の「桃色吐息」と異なり、この曲がイメージしやすいのも、この曲が刑事ドラマの主題歌でもあり、シリアスなドラマにぴったりであったからだ。なぜなら、犯人を追う刑事自身が犯人なのだから。
よく真梨子さんがコンサートで言ってた、私の曲って、刑事ものに使われるの・・・・。確かに、「陽かげりの街」もそうであった。それは、近頃の推理ものではなく、シリアスな人情ものであった。

改めて、この曲を聴くと、コンサートよりもテンポが遅いのではと思うことがある。いや、この現象はよくあることだ。コンサートで翌聞く曲ほど原曲は遅く感じる。「素足のボレロ」も「君と生きたい」もそうである。

さて、コンサートで歌われそして聴くべき曲と、CDで聴く曲という色分けも感じられる。
久保田利伸さん作曲の「美しき戯れ」。
この曲を歌えるのは、真梨子さんしかいない。そして、28年後の今でも、ベスト盤ではなく新しいアルバムとしてリリースしてほしい。
真梨子さんファンとして当時は、ちょっとびっくりした曲調であるが、ソウルフルなメロディに奥の深い恋愛の「もや」を感じさせる名曲だ。真梨子さん自身も語っていたが、ひさしぶりに、先生といわれる作曲家の作品を歌う真梨子さん。
「それでもあなたがいるだけで」  
「とまどい小夜曲」
あまりにもその世界観の温度差があって、私はあまり聴かない。

NTTのイメージソング「LOVERS BELL」のあたたかさ
その後もよくコンサートで使われる
「水の吐息」寄せては消えていく切ない思い、

それは海岸に打ち寄せる波のごとく。Lady Coast.....


鈴木雅之さんの作曲「夕暮れにルージュ」はコンサートの2部にぴったりである。

このアルバムの目玉は、なんといっても名曲「 テンダネス 」
この曲は、「君と生きたい」を想像させる世界観である。
そして高橋真梨子の描く恋愛シーンをすべて凝縮している作品。
コンサートでおそらくセットリストに入れて欲しい曲である。

「貴方が生きたLOVE SONG」は、コンサートで聴きたいが、コンサートでは聞けない名曲。ダイナミックな広がりがある。

92.8.26リリースということは、おそらく、翌年のカーネギーのオファーが既に届いている時期である。

その意味で、1曲の作りはいつも以上に丁寧である。
ある意味、このあとの真梨子さんの音楽活動の展開を見れば、結果として高橋真梨子のLOVE SONGを偶然にも一度凝縮してみたというアルバムにも捉えられる。

そして何度も言うように、ベスト盤ではなくオリジナルとして、約30年間聴き続けられたことに喜びを感じている。

(MDF音楽館2007掲載文の改訂掲載。2020/10/01)

1.はがゆい唇

2.美しき戯れ

3.それでもあなたがいるだけで

4.夕暮れにルージュ

5.テンダネス

6.とまどい小夜曲(セレナーデ)

7.CHESS

8.~LOVERS BELL~心のささやき

9.水の吐息

10貴方が生きたLove Song (with 玉置浩二)

bottom of page