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青紫色の熱い恋

2019/06/16 川口リリア
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それは「青紫色の熱い恋」である。

​今までコンサートレポートを書くと必ず出てくる言葉は、「赤い熱い愛」であった。

 

でも、その愛の前にふと冷静に自分を見つめ、また将来において過去の自分を俯瞰して見つめれば、冷静な感覚が自分を包み込む。

「冷静と情熱のあいだ」という言葉も真梨子さんを表現する一つの言葉である。

 

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真梨子さんが言うように、今年はラッキーセブンである。その歳の色は「すみれ色の紫」である。

会場に入れば、幕に書かれたタイトルの文字がすでに「ラベンダーブルー」であった。

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6/12にリリースされて以来、このわずか1週間の間に感想文を2つ掲載している。

その中で、私は「桃色吐息」は高橋真梨子の世界のセンターにない、私は別のバラードを聴きたいと述べた。

 

オープニング前の、George Winstonの名曲が、Jazzyな情感を奏でコンセプトを予感させる。

オープニング。まさに、今回のMari Coversが、この曲以前の黎明期の名曲というスタンスであれば、あり得るだろう1984年のアルバムTriadの「桃色吐息」であった。

曲の進行において、名曲が、そして一般的なファンの耳に聞こえの良いヒット曲が第一部で歌われる。それらと、カバー曲が一線を画して、こういう歌もあるんですという主張に聞こえてきた。

 

最近の真梨子さんの声の伸びと艶やかさ、そして何よりも低音を持ち上げて歌う歌唱。

これが安定している。高音部分を高音の発声ではなく、声を裏替えすような高音の発声でもなく、低音のメゾソプラノの安定感のある響きで艶を出す。

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前半で歌われた3曲のカバーは、CD収録段階からコンサートで歌う場合を想定して編曲されている。そして、録音ではあっさりと歌うけれど、やはり真梨子さんは声を張り上げる。

​特に、「訪れ」はフランス映画を見ているようだ。

何年ぶりだろうか?

「君と生きたい」の熱唱。

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HBP 後の2部のオープニングも、こんなに暖かくて大人の余裕のあるドゥーアップ曲があるかという感じ。そして2曲3曲とおなじみのナンバーをまとめるので、メリハリが効いている。

「Heart Breaker」。神に背くやむにやまれぬ激しい想いを、青紫の照明と背景の炎の対比で描いていく。ポイントは照明効果だ。

天井近くから真梨子さんにまるでコマ送りのように瞬時にライトを左右交互に充てて、次の瞬間赤いライトと天井の近くのムービングライトが青紫色のライトが客席を照らしていく。

<Stop my Love>である。

「はがゆい唇」ではト書きは冷静な青。そしてさびの部分は、ローズピンクで真梨子さんを照らす。そして「for you....」ではより赤いスカーレットのライトで真梨子さんを照らす。

​ラストの部分まで、真梨子さんのシルエットのまま立ってくれているので余韻がある。

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​「BAD BOY」はすごすぎる。

黒白のモノトーンで雰囲気を締める。

​綺麗なピアノのイントロ。ここで、George Winstonの曲と、「君と生きたい」が対になるのだということを体感すると

ぞくぞくしてくる。

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アンコール。

「ジョニィへの伝言」の背景に映し出されたケーブルカー。そう、これは映像は異なっても、1984年Triadコンサートのオープニングを思い起こさせる。曲中には、「ネイチャーBOY」のウィルシャーではないのかと思わせる裏街も。

そういえば、真梨子さんのこんな画像もあったなと。

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つまり、コンサートオープニングとアンコールのオープニングが、Triadなのである。

感謝の言葉の後のエバーグリーンの曲。

背景のスクリーンには、水彩画のような絵が描かれていく。そしていつしか、「向日葵」と「三日月」が。そうこれは「お母様」と「お父様」である。これも、40年真梨子さんを聴いてくればいろいろと想起されてくるものだ。

だから、これを受けて

ラストは「far away」。

熱唱である。低音部分が安定しているから、中音から高音にかけての伸びがすごい。

3月生まれの真梨子さんの誕生石はアクアマリンそして、青紫色は鎮魂の色である。

去来する魂を沈め、満天の星屑の中を彷徨う無限の魂を鎮めていく。

そんな Katharsis があればこそ、80年代の赤い熱い高橋真梨子がそこにいるのだと感じた。

真梨子さんはまだまだ元気だ。

♪素敵な恋をありがとう

(2019/06/16記載 MDF音楽館 MDF )

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