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Mari Covers

2019/06/12 リリース

通常盤 VICL-65191   
《CD収録曲》全11曲
1.MY CITY LIGHTS(1982年『Dear』)
2.サンライズ・サンセット(1980年『Sunny Afternoon』)
3.訪れ(1979年『ひとりあるき』)
4.アフロディーテ(1980年『Monologue』)
5.BAD BOY(1981年『LOVENDOW』)
6.この気分が好きよ(1982年『AFTER HOURS』)
7.小さなわたし(1979年『ひとりあるき』)
8.祭りばやしが終わるまで(1983年『我蘭憧〜GARLAND』)
9.黄昏の街から(1981年『Tenderness』)
10.忘れない(1984年『Triad』)
11.Mary's Song(1980年『Monologue』)

「日本語の歌詞を大切にしたい」という、ソロデビュー直後の真梨子さんの熱い想いを見事に表現しているアルバムであると思う。

                         (MDF音楽館MDF)

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真梨子さんは、オリジナルのアルバムに加えて過去にいろいろなアーティストの曲をカバーしている。そして、その完成度が高くまるで自分の曲であるかのような歌唱で魅せてくれた。

ただ、その完成度が高いあまり、その時間で、そのconcertの時間で過去のオリジナルな名曲を歌ってほしいと人一倍リクエストしてきたのは私である。そんな想いも伝わり、セルフカバーのリテイクもあったし、ここ5-6年の間、過去の名曲が10曲余りセットリストに取り入れられていただいている。

そのような経緯の中での今回のアルバムである。

ソロデビュー後のいわば黎明期の名曲シリーズである。

真梨子さん自身は、妥協しないアーティストである。

だから、当時の音楽事情や活動上のいろいろな条件の中でも、その時のBESTを歌いあげている。もちろん、アナログであり録音技術も現在とは単純な比較はできない。そして、当然、今回セレクトされた楽曲は、その収録されたアルバムの中の世界観の中で表現されてきた曲である。​

だから、セルフカバーした曲を集めたアルバムという感覚は大きな間違いである。この「Mari Covers」は、単体としてのオリジナルなアルバムである。そのコンセプトは、「日本語の歌詞を大切にしたい」という、ソロデビュー直後の真梨子さんの熱い想いを見事に表現しているのである。

まず、CDがすでにアナログレコードのデザインである。そして、真梨子さんのヴォーカルがセンターにストレートに濁りなく響いてくる。

小林信吾さん、十川ともじさん、宮原慶太さんの編曲の素晴らしさもある。各曲のメロディラインの構成はその歌の原曲の世界観を損なうことなく、新しいアナログの世界を醸し出してくれる。だから、音がとがっていない。もちろん録音エンジニアの方たちとヘンリーさん真梨子さんの話し合いの上であるけれど、ここまできれいにヴォーカルを際立たせているアルバムは近年ない。デジタル音全盛であるだけに、音にメリハリがで過ぎないようなバランスが保たれてきたけれどトータルにまろやかで聴きやすい編曲になっている。

つまり、究極のデジタルなハイレゾ音は、自然のコンサートホールでの音の響きのようなアナログ音であるといわんばかりの温かみのある世界に引き込んでくれている。

なんといっても、3人の方の編曲がよい。

長年真梨子さんを聴いてきたファンを裏切らない。

真梨子さんファンなら、何十回も聞いてきた名曲である。だから、ここでこのコード進行なのでフルートがほしい、アコスティックギターがほしい、と言う少し贅沢な感覚をさらりと表現してくれている。

安心感がある。もちろん、KEYを下げた真梨子さんの覚悟もあるだろうし、本番のコンサートで声を張り上げられるようにコンサートでの歌唱も期待させる。

​コンサートシンガー高橋真梨子の世界をアルバムの中で表現してくれているのだ。

さて、各楽曲である。

もちろん個人的な好みや思い入れもあるので

私が特に気に入った曲を取り上げたい。

 

「MY  CITY LIGHTS」

必ず、コンサートの大切な箇所で歌われる。

「DEAR」の中で表現された世界も大好きであるがそれ以上。

「訪れ」

北の街の雪模様が、サンモリッツやグルノーブルのフランスの街の雪化粧を想起させている。

「BAD BOY」

もういうことがない。熱くぶつけるような真梨子さんのヴォーカルが、こんなにも優しく語り掛けてくれるのかという感じ。今年のコンサートのメインになるかもしれない。もしくは2部のラストか?

 

「小さなわたし」

よくぞ選んでいただいたという純粋LOVE SONGである。原曲の素朴な世界観がこんなにもマイルドで暖かく変化する。

そして「アフロディ-テ」

コンサートで歌うとしたら、高音部分を張り上げるのだろうが、十分に低音を持ち上げるここ数年の歌唱で厚みのあるヴォーカルになると思う。

以上簡単に感想の第一稿とする。

​2019/06/12

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