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Monologue  1980.08.21

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Victor Entertainment VIH-28010
​VDR-1416 VICL-5163

1.アフロディーテ

2.デイブレイク

3.Mary's Song

4.ランナー

5.歳月の窓

6.夕なぎ

7.ランブル

8.Remember Sea

9.裏窓

10.モノローグの九月

前回LPでは、コンサートのメインになる曲がB面の2曲目に入っているのではと述べた。

確かに、「アフロディーテ」は、アーモンドチョコレートのCFとタイアップして、毎日のようにTVに流されていた。薬師丸博子(当時)さんの登場で一躍有名になった、来生さん姉弟の存在も欠かせない。


しかし、7曲目は「ランブル」である。
もうアルバムも3枚目になると、マリーやジョニイを加えれば、コンサートのセットリストに事欠かない。

そして、全力で駆けてきたけど、ふと一息ついて、ニッカウヰスキーの水割りを飲んでいると、騒々しいお店の中で自分が存在している。まるで博多の88(はちはち)のような、LIVEハウスで歌っている自分のような姿がそこにある。この曲を真梨子さんは、嬉しそうに歌っている。

当時のコンサートの演出は決して真梨子さんにとって心地よいものではなかった。
日本語の歌詞を大切にしたい、とは思っても、演出が不本意であった。「ランブル」は、「ありのままの自分」を映しているのてはないか。

「裏窓」
当時恋人であったアーティストが、真梨子さんに作曲し贈った名曲である。後年の「jazz Singer」とあわせて対になっているように感じている。しかも、二人の将来を予感させる曲になっている。

その意味で、このアルバムまでが、初期アルバム3部作と私は考えている。

それにしても、表情が硬い。

何か、突っ張っていて「高橋真梨子」は、まだここにはいない、そんなことを感じながら遠くを見ている。

(MDF音楽館2007 掲載文再編集2020/07/25)

2019年「Mari Covers」での、「アフロディーテ」と比較すると、やはり私はこのオリジナルの編曲が好きである。ギリシャ的なイメージが湧いてくるてくる。シャープで寂しさすら感じる編曲に、真梨子さんの新しい世界を見た感じがしていた。

「裏窓」は、今もコンサートで歌われる名曲。フランス映画の裏街。ニューヨークのブルックリンをも感じさせる。日本の風景ではない。

そして、この曲の作者の元歌を聴いたことがあるが、原作者でも歌えない難しい曲。

そして真梨子さんにしか歌えない曲である。

「ひとりあるき」から1年6か月。

40年後、真梨子さんがまだステージに立っていることを本人は、まだ知らない。そして思い描けていない。

模索と葛藤、お酒のイメージが強く見えてくる。その中での、赤い激しい「アフロディーテ」なのである。

​(2020/07/25記載)

ORIGINAL ALBUM
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