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musee

2000.07.09東京厚生年金会館2000.09.19大宮ソニックシティ

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(C)wowow2000.12.22

真梨子さんのコンサートでメッセージを本格的に感じ始めたのがこの2000年からとなる。インターネット上でいろいろと書き込みを始めたのも前年だからということもあるが、その押しつけではないコンセプトが感じられるのは、やはりコンセプトアルバムを真梨子さんが制作しているからである。そして、その曲をセットリストの中にはめ込んでいる構成から、おのずと色合いが出てくる。

さらに、後半のセットリストは変更されて、実は「musee」収録曲の8曲がセットリストに入った。こういうのも珍しい。

デルタ

迷い鳩のように

ごめんね

はがゆい唇

あなたの翔びたい

とまどい小夜曲

桃色吐息

そっとlovin' you

別れの朝

Silent Love

恋ことば

for you...

 

HBP

Bonita

黙秘権

背中から撃たないで

Painter

倖せのかたち

グランパ

 

ハッピーエンドは金庫の中

フレンズ

貴方と

このツアーの前半のイメージは、「自分のステージを描く」ということであった。人には、さまざまな生活があり、さまざま立場で役割を演じている。

ちょうど私も、新しい職場と自宅の新築で多忙な日々を送っていた。その中での2000年高橋真梨子プロジェクトであった。

前年は、青空のないステージであった。

しかし、この年は宇宙とこの地球と人の存在を俯瞰するような背景でありスクリーン動画である。まさに、デルタぴったりの心象風景である。

とにかく、入り方が優しい。そして、前半の各曲の歌い方がとても丁寧である。「ごめんね」も張り上げず抑揚を抑えた歌唱である。低音を響かせて聞かせるという感じではなく、とにかく優しいマイルドな高橋真梨子であった。

「そっとLovin' you...」は、水のイメージのイントロであったが、ゆったりとしたスローバラード感覚なのだ。テンポを遅くしたりということではない。ひとつのフレーズごとが、明確で丁寧なヴォーカルだからであった。自動操作のカメラワークも、空から真梨子さんを俯瞰するかのようなアングルもあり、背景のスクリーンに映し出される。

新進デザイナーの吉崎早苗さんの衣装も、ナチュラルであり、真梨子さんの少し茶髪のヘアースタイルのイメージによくマッチしている。

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「恋ことば」は一部音源を使い、ほぼヘンリーバンドの演奏に変わった。背景には、イエローゴールド、ブルーバイオレット、アクアグリーンのライトが順に照らされていく。「fotr you...」は、やはり、サビ部分をかなり本人も意識して歌っている。苦しみ始めて安定させたという感じがする。

満天の星空。

ここまでで、高橋真梨子のステージである。

高橋真梨子が確かに存在している。

 

第2部で、アップテンポの曲が続くという構成はとてもいい。アコスティック感がたまらない。一方「背中から撃たないで」のように、背景からの赤いライトが真梨子さんを照らしだす。上からのライトが、考査して真梨子さんを何度も映し出す。

おとなしく優しく感じたコンサートで、一番声を張り上げる曲が「倖せのかたち」である。

「Painter」とともに、このコンサートのメインを構成する。今までのライティングが、全て集約されて、さまざまなライトが、真梨子さんをあの 「stop my love..」のように、上から交互に激しく照らし出すのである。人の生きざま、有様。その中で役割を演じ、自分らしく生きようとする姿。

 

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(C)wowow2000.12.22
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「フレンズ」は再び、イエロー、ゴールド、ブルーのライトが真梨子さん照らし、命のシルエットではないかと思うスカーレットのライトが真梨子さんを中央に浮かび上がらせていく。

「貴方と」をコンサートのラストに選んだ。

新しい日々を、ファンとともに、そして、自分自身の高橋真梨子像とともに生きて行く決意。振返っても、悔恨の日々は消えていかない、もうこれ以上自分自身を責めなくてよい、そんな素朴な想いを、ふただび太陽と影のイメージを添えて、満天の星空のもと歌い上げる。

そして、ステージは、オープニングの「デルタ」のように、深遠な宇宙と自分自身のアデンテイティに戻っていくのであった。

(2021/06/08記載)

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