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もうひとりの演奏者
2009/8/30 森のホール
真梨子さんの曲の演奏で、欠かせないのがヴァイオリンである。
ヴァイオリンと簡単に言ってしまうが、幼少時よりいわゆるお稽古をしなければ、簡単に弦の上で指をすべらせることは出来ない楽器だ。
ヴァイオリンを習わせる家庭は、もしかしたら、ピアノがあって
朝食にトーストが出てきて、コーヒーの薫りがする、日曜日にはピクニックにいく家庭かも知れない。
いまなら割とあるかもしれない。しかし、時代は昭和30年代のことと考えよう。
絵に描いたような別世界の幸せがそこにある。
自分とは別世界の象徴でもある。
高橋真梨子というヴォーカリストがいる。
彼女が、ヴァイオリンやストリングスのユニットと本格的に共演したのは「、for you...」であるかと思う。
もしかしたら、少女時代の真梨子さんとは、別世界の象徴との共演だ。
今はギターであるが、オリジナル音源の間奏はヴァイオリンである。
奥の深い、伸びやかな音色を奏でている。
Forestのコンサートツアーでは、ヘンリーバンドのメンバーに、ヴァイオリンの中井一郎氏が加わり、涙もろいペギーのイントロを見事に独奏されている。
そして、1993年のウエディングのカーネギーホール
2008年のメモリアルなカーネギーホールのステージも、NYフィルからのストリングスのメンバーが大切な存在であったし、
さらに、NHKのSONGSでの井上陽水氏の楽曲もストリングスが必要である。
ヴァイオリンは、テネシー州をイメージさせる曲から
モノトーンの世界まで見事に、真梨子さんの楽曲を表現してきた。
でも、今回のステージにヴァイオリニストはいない。
いや、実はちゃんと存在しているのである。
Blogで考察しているように、アルバムcinemaに収録の「my life」は
まさしくNo Reasonを予見している。
「my life」
my life , your life, still love
音色に埋もれていたい
理屈など 考えず 貴方を愛したい
ちゃんと、真梨子さんは、No Reasonと今年のコンサートのコンセプトを知らないうちに語っていた。
この街角で、指をすべらせているのはヴァイオリニストであると私は思っている。そして、無伴奏。1997香港公演で披露され、フレンズまつりで女性ヴァイオリニストが間奏を奏でた。
街角で、繰り返し 愛を演じてる ヴァイオリニスト。
また、浪漫詩人の前のセットは、コントラバスのような
大きな弦楽器が引き裂かれるシーンがあった。
ひとりで、メロディだけを奏でているが何の伴奏も無い。
物悲しいストリングス。
もうしばらく、かりそめの愛でもいい
その愛の音色に、包まれていたい・・・・
HEARTの世界
my life , your life, still love
音色に埋もれていたい
理屈など 考えず 貴方を愛したい
無伴奏と、No Reasonは、見事にLINKしているのである。
真梨子さんは、先日のコメントで
カーネギーホールには、何かがいる、その存在感が体感されたとおっしゃっている。スピリチュアルな話で、私にはなんとなくわかる気がしている。
カーネギーホールには、音楽の聖がおられるのだと思う。
その魂を鎮めて讃えるのが、ヴァンオリンの音色そして倍音の波長を持つ真梨子さんのヴォーカルなのである。
もうひとりの演奏者
コンセプトにつながる、実際のステージでは演奏していないが
登場人物としてでてくる街角のヴァイオリニスト。
そして、弦楽器の音色と響きの奥深さを持つ真梨子さんのヴォーカル。
髙橋真梨子の世界は、真摯で奥深い領域、神聖な世界であるとあらためて感じられた。
それがARTの世界であり、
アーティスト髙橋真梨子のステージなのだろう。