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単色の Gradation

2009/07/25 東京国際フォーラム

GRADATION
もとより色は単色である。

その色の徐々に変化しているように見える階層は、真梨子さんのステージの時の長さを感じさせる。
 

「高橋真梨子というコンサートシンガー」はすごい人だ。
大変僭越ながら、私は1年前、1F後方席で、コンサートを楽しむというよりまるで客観的に見てしまい、歌い方の変化・声の出方の変化を感じて、「私の知っている高橋真梨子」はどこへ行ってしまったのかと述べた。

それは、「for you...」なのであるが、昨年のSONGSでは1993年のカーネギーの収録部分を入れるなど、実はその思いを増幅する心配なこともあった。

しかし、昨年秋から、真梨子さんは歌唱の仕方をおそらく変えている。

それは、高音に力をこめて強く発声することで、
より透明感のある、よりPUREなfor youに仕上げている。
素晴らしい。
すごい。プロの仕事である。
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背面のスクリーンが赤くなる。

2階から見ると真梨子さん自身が i になっていく。

赤い愛・i のグラデーションに包まれる

「コンサートシンガー髙橋真梨子」。

浪漫詩人で天空に戻った魂が、
ランナーで、一筋の光になって戻ってくる。
愛の力で戻ってくる。
そして、ステージが明るくなる。
オープニングのTEARで閉められた「愛のドアー」が、一気に開かれて、まばゆい愛の光に包まれる。

とびらを開けて・・・・・・・・
孤高の浪漫詩人は、遠い未来を見つめていく。

 

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(C) THE MUSIX 2009.09
No Reason
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