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1.チャイナドレスでシルクロード

2.十六夜

3.永遠の魚

4.戦士の休息

5.Liberty~渚にて~

6.Police Story

7.都会の空

8.心揺れて

9.TRUE

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(C)VICTOR ENTERTAINMENT
VIH28377  VDR 1640  VICL5175
PRETENDのLP盤はプレス枚数が少ない。
​オークション関係でも20年間で2枚しか見たことがない。
ORIGINAL ALBUM

PRETEND ​1989.09.21

​1989年高橋真梨子ラストのLP盤である。ジャケットも歌詞カードもとても素敵な仕上がりだ。

アルバムのタイトルもよくできていると思う。コンセプトアルバムだから当然なのだがこのように、じっくりとアルバム鑑賞をしていくと別の時期の真梨子さんの活動と自然とリンクしていったり、まり子さん本人のプライベートと重ね合わせて、その歌の意味その曲に自然に盛り込まれているイメージが浮かんでくる。

「たかはしまりこ」という名前で、89年5月にカバーアルバム「紗」をリリースした真梨子さんだから、PRETENDというタイトルも、文字通り「まねをする、ふりをする、」という意味で捉えてきた。
もちろんいろいろな名曲をカバーすることで、真梨子さんの世界を広げてきたことは事実である。歌の世界の中で、主人公はいろいろな役を演じていく。もちろん、恋愛の世界でなくても、人はいろいろなことを演じながら生きていく。平穏無事ということが、一番幸せだと聴かされながらも、何かを抱えながら人は生きていく。

リリース当時は、上記のようなことを考えていた。しかし、このアルバムのコンセプト改めて見つめなおしたとき、ある想いが駆け巡った。
大津あきらさん作詞の「永遠の魚」である。
この曲をよく聴くと、モチーフは「HEART」である。
恋するあなた好みの女を演じようとしていた彼女、しかし最後は救われていくHEARTの歌の世界観。


夢を言い訳に 
愛する事の素敵さを 
誰も皆 手離していくから ・・・
あなただけの永遠の魚になりたい


時の魔法をかける都会 という実在しない世界で

永遠の魚になりたい

というフレーズは、演じると同時に素直に愛したいと自分らしくありたいという世界観である。

演じるからこそ、自分らしさがある。

これがこのアルバムのコンセプトである。

こういう曲を31年前に発表していることが奇跡だと思う。

「心揺れて」。最近のアルバムに入っていてもおかしくないと思う。

ヘンリーさんのアルトフルートが心を揺さぶる。
そして、このヴォーカルは、高橋真梨子でしか歌えないヴォーカルである。真梨子さんらしいなぁとつくづく思うヴォーカルである。
また、「十六夜」・「都会の空」のように、ナチュラルで奥行きの深い編曲は、むしろdigital音の世界ではない。
そして、いまのコンサートだからごく自然に聞こえる「Police Story」

エンディングがさらに奥行きの広い「TRUE」
PRETENDに対してTRUEというのもお洒落である。


当時のコンサート日記では、紗からの選曲も多く、オリジナルを歌ってほしいという2010年当時と同じような思いの記述をしている。
しかし、2020年今改めてこういう記録を見返して補足していると、「永遠の魚」を聴けたコンサートは貴重なコンサートであったと思いしたい。

(MDF音楽館2007掲載文改訂 2020/09/11記載)

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