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結 界

真梨子さん、今年はこれでいいのだ...

2012/09/06 新宿文化センター

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(C)THE MUSIX
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  • レーベル: Metro Select

  • ASIN: B073ZYXWG5

  • JAN: 4050538271379

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(C)THE MUSIX/Victor Entertainment
2012年当時は気付かなかったけれど、並べてみると実にお似合いな画像である。

真梨子さんのコンサートの鑑賞記録に、こんな言葉で表現することがふさわしいのか、私にはわからない。しかし、私は、いつものようにあるメッセージを受信してそれを表現していく。
今日はこの言葉を書かないわけには行かない。

そのシンプルだけどゴージャスな奥の深いステージ。
今までのアーティスト高橋真梨子の世界、そしてこれからの高橋真梨子の世界。現実の自分、理想の自分。
仕事帰りのコンサート、現実の生活と異空間の演出。

シンメトリーに配置されたステージ。ヘンリーバンドの配置も、センターにピアノ、左右にバランスよくメンバーが配置されているステージ。
そして、ヘンリーバンドを、一本の直線と曲線で構成されたラインで取り囲む。
結界の線である。
その途切れた一部分、中央に真梨子さんが立っている。そのラインと、シンプルなスポットライトが、冷静な青、情熱の赤を演出していく。

開演前、ビッグバンドのスタンダードの名曲が、たとえばグレン・ミラーのムーンライトセレナーデが流れ、Mをイメージしたシンプルでゴージャスな幕がこれからの時間を盛り上げていた。

3曲のスタンダード曲からスタート。そう、真梨子さんが歌いなれた曲で、のどに負担のかからない曲。そして、その日の気分や会場の雰囲気でアレンジがあってよいスタンダードである。2曲のオリジナルをはさんで、6曲目にこのコンサートの前半のメインが来る。

「LIFE」である。その言葉が響いてくる。

儚く散った花びらは 永遠に心に舞い
限りある命をこめて 明日への風になる

昨年のコンサートで、私は、盆の迎え火と送り火という言葉で表現した。今年は、魂が浄化されて舞い上がっていく。現実を捉えて、明日へと向かっていく。そして、間奏が控えめだが、jazzyなアレンジになっている。オープニングの3曲の意味がここで明らかになった。
2曲はさんで、「君と生きたい」のアカペラ。
スクリーンに、真梨子さんの後姿がかすかに反射で映し出され、現実と異空間の世界を真梨子さんが取り次いでいく。
ハワイの名曲、青い海に癒される名曲のあとに、いよいよこのコンサートのメインが来る。


Smile though your heart is aching
Smile even though it's breaking
When there are clouds in the sky
You'll get by・・・・・・
・・・・・・
Light up your face with gladness
Hide every trace of sadness
Although a tear maybe be ever so near

That's the time you must keep on trying
Smile , what's the use of crying

You'll find that life is still worth while
If you just smile.....


笑顔で精一杯生きていく。それでいいのだ。
いつも情熱の炎と神の恩寵というイメージの強い「Heart Breaker」は、今回は控えめな演出。なぜならこれがラストの曲の伏線になっているから。

 

そして、「LIFE」「Smile」とコンサートの骨格を構成するのが、「ワンダフルナイトcinema」である。
ここでは、青のスポットと照明が、時折強く照らされて、家に戻る道の街灯を表現してくれる。冷たく冷静な色として使われた青が、自分の戻るべきところを、満天の星空とともに明るく照らしていくのである。

アンコール。
これは、カレン・カーペンターへの追慕で「Superstar」。
このコンサートのタイトルの2つ目の意味である。
カーペンターズの38年前の東京公演のオープニングは、「Superstar」で幕があいた。

ビッグヒットとなった「ごめんね」をはさんで、

ラストは「for you...」。

ストロヴェリーピンクのドレスは、桃色吐息をモチーフしているのか。
真梨子さんのバックには、複数の棒状の照明が垂れ下がり、間奏のピアノの鍵盤をイメージしつつ、まるでフィレンツェの教会に灯されたキャンドルをイメージしているかのようである。
(神の前で)許しを願い、生きていくことの感謝の想いとともに愛し続けていく。そういうエンディングである。

シンプルで、ゴーシャスなステージ。
華やかなfestaは、来年でよい。
ふと、昨年の11月の千秋楽のコンサートで、「ジョニィへの伝言」を歌う真梨子さんがよみがえってきた。また、元気な姿を見せてもらえる。今年は、これでよいのだ。
真梨子さん、ありがとう。


​(2012/09/07)

(C)THE MUSIX
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(C)THE MUSIX
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