top of page

君が描いた夢

2010/11/25 東京国際フォーラム
14.jpg
(C)THE MUSIX

高橋真梨子様
今年も、54公演おつかれさまでした。本日真梨子さんがおっしゃっていた通り猛暑の中のツアーの移動大変だったと存じます。
Sing It ツアー存分に愉しませていただきました。ただ、本日は真梨子さんへの本音として書かせていただきます。

一言で言えば、真梨子さんとの出逢いが人生の転機のきっかけとなったという方が多いと思う。私もいつも感謝しながら、そして襟を正してコンサートに出かけていく。最近、真梨子さんがおっしゃるように、ひたむきに生きているのに、疲れることが多い世の中で、真梨子さんの歌を聞いているときは、少しは別世界を感じてくれたら・・という言葉は、30年近くコンサートを見てきたファンとしては、まさにその通りであると嬉しく感じている。だから、グランパの多少のおふざけも、一緒にコンサートを作ってきた一員という立場で、愉しむことも出来た。

かつて、MELLOWLIPSの頃、「ペンライトでノリノリのコンサートが盛んですが、私のは無理です」ってMCで語られていたが、てまり時代からのコアーなメンバーを中心に、応援団うちわから始まり、10人程度のグランパのスタンディングが、カーネギーホールで、そして、東京国際フォーラムで5000人という規模になっているのを見て、とても嬉しく感じている。そして真梨子さんに感謝してもしきれない私は、このHPを作成し真梨子さんの世界を伝え続けたいと思ってやまない。

しかし、東京国際フォーラムは、時として私に試練を与えてしまう。

36列目は、コンサートに参加するのではなく、どうしても客観的に見てしまう位置。大型モニターを遠巻きに見ている感じ。真梨子さんはインタビュー記事で「よくキーを下げたりしてアレンジすれば」という意見に、「そういうごまかしが出来てもファンは喜ばないし、原曲のキーのままで行きたい」とおっしゃっていた。しかし、今日私が体感した高橋真梨子は、私のイメージする高橋真梨子ではなかった。

私は人一倍、真梨子さんに恋をしてきた・・・
人一倍、音響機器で真梨子さんの世界を再生して聞き込んできた・・・
そして、今日は客観的に聞いてしまう位置でコンサートに参加していなかった・・・
だから、少し寂しい感じがした・・・


 

Sing it
THE CONCERT 2001-2013


後半のあのアンコールの位置で、見事に高音部を張り上げる「人間の証明」
「高橋真梨子というシンガー」は本当に素晴らしいアーティストである。
しかし、5000人の中で「人間の証明」の英語詞をいったい何人が理解しているのであろう・・・なんとなく曲を聴いているだけ、完成度が極めて高いのに感じ取れないもどかしさが残る。
そして、酷暑の中の移動での54公演。カバーだからこそ高橋真梨子らしさを真摯に表現し続けるまり子さん。それは、素晴らしいアーティストだからこそのプレッシャーでもあるのだろう。今日のオープニングのMCは本音に近い。そして、その見えない疲れが、オリジナル曲の表現のディテールの乱れに通じているのだとしたら、それは日本語の歌詞を大事にしたいという「ひとりあるき」から始まる高橋真梨子の本来のスタンスをゆがめてしまうかの印象に他ならない。
・・・・・・・・・・・

今年のツアーの象徴的なフレーズは「君が描いた夢の中を 僕は生きることが出来ず」と歌う「恋人」に表現されている。
これは、「もうあのときの浪漫は歌えない」吟遊詩人のようにも感じられる。

もとより、
「高橋真梨子というアーティスト」は、報われない恋、叶わない恋をコンサートの空間の中でさらりと客観的に表現することで、失恋者の夢をその恋を、ほんのつかの間、成就させてきたアーティストである。


でも、今日は真梨子さんにちょっとだけ失恋かなぁ・・・・・・
君が描いた「報われない恋を成就させる」夢の中で、何も応えることはできなかった・・・そういう寂しさが客観視のフォーラムに残ってしまった感じ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
私は少しでも長く真梨子さんに、オリジナルを歌っていただきたいと思う。
年間の公演数が減っても
コンサートのセットリストの曲数が減っても
そして、原曲キーを下げて歌っても
おそらく、真梨子さんを応援するファンなら誰も文句は言わないと思う。
そして、オリジナル曲のセルフカバーだっていいと思う。もし文句を言う人がいるなら、全力で私は応援していく。
真梨子さん、そしてまり子さん、いつもありがとうございます。

2010/11/24



 

bottom of page