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Swing Heart
2008.5.14 VICL-62802
1.my little song
2.オレンヂ(single version)
3.メランコリー
4.not so bad
5.まァるい涙
6.たったひとつ
7.Lucky star
8.コバルトの海
9.教会へ行く
2年おきというペースに何時の間にかなっていたリリースであるが、デビュー35年というメモリアルな年の渾身のアルバムである。
ジャケット写真も29枚のアルバムの中で一番セクシーであり、今の高橋真梨子の魅力が存分出ている。
ドキッとする真梨子さんである。
揺れる想い とでも解釈すればよいのだろう。
しかし、別掲のコンサートの鑑賞記録をご高覧いただくとわかるように、このタイトルのヒントは博多当時のLIVEハウスでバックバンドを勤めていた、ハミングバードという音の響きと偶然にも似ている。こういうことに気づかせていただいたのだと私は思っている。
それは、記念アルバムの全国ツアーの構成が、CDのコンセプトとは異なり、博多そしてニューヨークというLIVEのステージをイメージさせるものだからである。
アルバムSwing Heartのコンセプトは、
日常見るさわやかな青空であろう。
「my little song」は別掲で鑑賞解説しているが、
おそらく、method収録の「枯れない花」をモチーフに意訳した英訳であろうと、私は判断している。
光輝く道をあなたと歩きたい
そういう純な想いの詰まったささやかな思いの歌
my little songなのである。
「オレンヂ」はまさに普通の生活をしていることへの感謝。
「まァるい涙」も真梨子さんのごく普通な日常を描いているシーンが読み取れる。
「Lucky Star」は、久しぶりに鈴木キサブローさんの曲。
きっとキサブローさんのことだからある程度歌詞のモチーフももって、真梨子さんと曲を作成したのではないかと思っている。「コバルトの海」は、広島の海、香港の海。「蟹のつめ」を連想させる。自分に素直になれる海、元気になって支えてくれる人がいることをしっかりと感じ取った太陽の輝く海をである。
「教会へ行く」 もちろん、前年からのコンサートの延長で収録されているが決別すべき人は、うじうじしていた過去の自分なのかも知れない。キリスト教では、天に召されることは、神の寵愛により神に近づくことで新たな存在になることなのであろう。だから、なぜか曲は明るい青空である。
もう3年も前のCDなのに、ワクワクして待っていた。
否、アルバム「DEAR」も「AFTER HOURS」も、私の好きな真梨子さんが生きている。しかし、このアルバムはそれに近づいている。
そして私の真梨子さんへの届かない恋心は、
今でも揺れ続けている。
(MDF音楽館2007掲載文 2011年夏に改訂作成)
好きなアルバムだと2011年にこんなにも長いコメントを残している。高橋真梨子の世界との違和感がないアルバムである。確かに、隔年でアルバムをリリースして、当時のペーパームーンの会報で言わせれば、和名のコンサートツアーが挟まり、そのセットリストの中にTHE 高橋真梨子の定番曲を柱にした構成に、外国曲を交えて歌唱していた。それは、新しい若いファンが増えたこと、そして、何よりもCDという媒体での音楽需要が変化してきたという背景もある。模索していた当時の、しかし渾身のアルバムである。
どこをとっても、高橋真梨子である。
「まアるい涙」の優しいメロディラインが素敵だ。「たつたひとつ」で少し過去を振り返り、ラストのフレーズが素敵だ。
♪生あるものの不滅の愛 生あるものの
赤い愛であり、より大きな愛に包まれている自分の存在。
「Lucky Star」は、異質な感じでありながら高橋真梨子を聴いてきた人なら懐かしい様々なシーンが浮かんでくる。
そして、ブックレットは制作に関わったミージシャンと写っている。まさに、「真梨子さん」も「まり子さん」も一員なのである。
(2021/01/05記載)