Copyright ( C ) MDF 2007-2025 All Rights Reserved
Spring Version
98/05/13 神奈川県民ホール
泣かせないでよ
もうちょっと見つめて
迷い鳩のように
はがゆい唇
君の海に
遥かな人へ
流れる...
フレンズ
HBP
息もできないキスをして
Excuse Me
背中から撃たないで
ごめんね
for you...
グランパ
無伴奏
海色の風
このコンサートは、96年のコンサート同様、90年代後半のベストなコンサートである。このコンサートはWOWOWで放送されている。
前年の香港公演と97年ツアーのSpringVersionであり、セットリストも変更されている。
一口で言えば、まさに飛び切り上等tip topな横浜の夜会である。
舞台は、左右にタワー状のモノ、その中央はビル街の窓ガラスのような感じである。オープン二ングで、一列に並んだ真梨子さんは既にギターを弾いている。カメラが入っているのに、なぜか笑顔に余裕がある。
楽しそうな真梨子さんを久しぶりに見た感じだ。
2曲目。真梨子さんの体調は戻っている。ロングトーンもいい。
いや、この曲だけでなくこのコンサート全体でピッチの乱れも、ブレスの乱れもない。ロングトーンも艶っぽい。まったくやつれていない。むしろヘンリーさんの方が安心したのか、少しふっくらした感じがする。
「迷い鳩のように」の背景は青くなる。黒のドレスの真梨子さんが浮き上がる。高低の変化も、息の抜き方もいい。丁寧だ。
「はがゆい唇」が、みなとみらいのランドマークのように左右に高層ビルが出てくる。オレンジ色のライトが良い。
そして、前半のラストが「フレンズ」で早くも満天の星空になる。
衣装も変えて、HBPでは、マロさんと吉田さんのパーカッションとドラムスのたたき合いで存在感を見せる。
「息もできないキスをして」の真梨子さんはアルトサックス。
青の衣装の真梨子さんに赤の衣装のヘンリーさん。
「Excuse Me」では、赤いギターだ。背景は、光のラインがMになる。まさに、MARIKO!!!である。
「背中から撃たないで」がかっこいいことこの上ない。
当時は誰も立ち上がらないから、そのパフォーマンスが舞台で冴えている。
************************
そして「ごめんね」がスローバラードに聞こえてくる丁寧さ。
「for you...」は、赤のライトを使わず、青のドレスの真梨子さんとオレンジのライトで、冷静さと情熱の熱い愛を表現した。
ラストは明転した舞台の真梨子さんが笑顔で動かず、緞帳が下りてきた。
今日の表現に納得がいっていることは、真梨子さんのしぐさでわかる。
左手で髪をたくし上げたその色っぽさ、グランパでピョンピョンと飛び上がるようにリズムを取るしぐさ。真梨子さん自身が楽しそうだ。
**********
だから、無伴奏で宮原さんのピアノイントロが沁みてきた。
「横濱の夜景」を思わせる、藤原監督の照明。
まるで「横濱三搭」を思わせる。映画のワンシーンだ。
泣かせないでほしい、もうちょっと見つめてほしい、そんな恋人たちが絵になる町だ。ここで伏線が繋がってくる。
そして、ペンライトが、夜景が反射する波のようになり、ラストに水平線が上がってくる演出の「海色の風」は、青春versionの演奏で綴られた「フレンズ」の満天の夜空と見事に呼応していく。
横浜での恋 「横濱」の夜景。
それは、体調不良を見事にコントロールした真梨子さんを包み込み
心配したファンに、安心感以上の期待を描かせた。