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Triad 

1984/10/04東京厚生年金会館 よりスタート
10/28 渋谷公会堂 ほか

祥寺クイーン 

誤解
Tear
(メドレー)
 あなたの空を翔びたい
 ComeBack to Me
 アフロディーテ
 Heart & Hard
 愛はルフラン
 夜明けのララバイ

モダンデジャブ 
新しい五線譜
もいちどロマンス 

for you... 
この気分が好きよ 
 
背中から撃たないで

stop my love   
Rain


桃色吐息   
THANKS
忘れない
HEART
 

凄いセットリストである。

2曲目に「誤解」がある

「Tear」がある。「THANKS」がある。

「HEART」がある。

2020年のコンサートで聴いてももよい。

Triad.JPG

このコンサートのオープニングは今でも覚えている。
サンフランシスコの坂道のシーンが出てくる。朝日があがりつつある朝もやの中街が息づき始めた。ジョギングする人、ケーブルカーに乗って職場に向かう人。
そんな町並みをカメラは追い、高台の家を映し出した。

白い家である。太陽がまぶしくその家がアップになる。

白い扉に表札がついていた。
「Triad」
そしてその扉が開く。

ヘンリーバンドの小林光さんのパンチの効いたベースがイントロを奏でた。「祥寺クイーン」のあのイントロである。

幕のスリットが回転し、舞台が明るく映し出される。

そこには「髙橋真梨子」が立っていた。

当時の真梨子さんは、あのロングの髪を切っている。35歳。少しハスキーな声質だ。

若干、高音部を発声する時、体をよじるようなしぐさがあるのが特徴的であった。それくらいパワフルであった。

画像のように、空色の青の印象が今でも残っている。そのためか、渋谷公園通りの街並みの街灯の光が、コンサートの照明ような感じで帰り道を照らしてくれた。

84年ツアーは「Brown Joe」が歌われて、「for you...」がないセットリスト。85年のVersionで、セットリストを入れ替え、「for you...」を歌唱している。また、「THANKS」のところに「ジュン」が入ったVersionもある。

いずれにしても、これが高橋真梨子の世界だといわんばかりに、名曲をコンセプトアルバムのコンサートに中に連ねている。ある意味「名刺代わり」に「高橋真梨子の世界」を見せてくれて、実は「桃色吐息」だけではないんですよといわんばかりである。広く外へと発信するならば、私はバラードシンガーと主張している。

自分のストライクゾーンとは異なる曲が、自分の名前を外へ広げてくれる。そんな不可思議な葛藤である。

そして、今思えば、真梨子さんのステージ上の孤独の始まりでもある。

「HEART」をコンサートで聴けたということ。

そして、今も心の中に「絵」を書き続けてくれていること。とてもありがたい。

2019年「MariCovers」の背景シーンで、サンフランシスコのケーブルカーが出てきたとき、

「Triad」を思い出した。だからこそ、ラストのステージで「HEART」を歌ってくれると思った。

それが高橋真梨子のバラードであるからだ。

2021年のラストステージ。

ラストの想いは、高橋真梨子が永遠の存在になることである。

その思いを改めて強く持ちたい。

​(2020/7/30記載)

THE CONCERT 1979-1989
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