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真梨子さんがステージで歌わない曲
真梨子さんは、オリジナルの曲でも自ら封印することがある。
オーバーな表現に聞こえてしまうが、その曲が自分の心境にフィットしすぎて、どうしても自分が入ってしまう。素の自分で歌ってしまう。そういう曲は、コンサートのSET LIST に入ってはこない。
右のインタビュー記事は、1992年のアルバム「Lady Coast 」の リリースのインフォメーション記事である。この中で、当時コンサートで、ステージで歌えない曲が2曲あると語っている。
「1曲は、3年くらい前 1年間歌った曲。もう1曲は、10年くらい前のアルバムに入っている曲。」とだけ語っていた。
僭越ながら、何年くらい前というのは、よく間違えがあるので、おおよそという感じの時間である。
わたしはいろいろな、真梨子さんの資料もコレクションしているので、実はこの10年前の曲がなんであるか想像できた。リハーサルで歌っていて涙がでてくるというその曲は、AFTER HOURSに収録されている「女友達」である。
当時の真梨子さん出来事の心境を考えれば、そのままの曲である。
ではあと1曲は何か。
「Lady Coast 」のコンセプトツアーでは、コンサートパンフレットが制作されていて、その中のインタビューに
今まで歌った曲の中で一番好きな歌はの問いかけに「君と生きたい」と答えている。
たしかに、「FANTASIA」のコンサートでは、「Every time I feel your heart 君と生きたい 」を1年間歌っている。
当時のSET LIST に「for you...」 は入っていない。
びっくりするようなことに思えるだろうが、Version 変更のときを除いて、当時のコンセプトツアーではメインの入れ替えがあったと思える構成で、つぎの5年で 「for you...」を 歌っていない。
1984年 Triad ラストは HEART
1985年 MELLOWLIPS OVER
1987年 BLUESette HEART
1989年 PRETEND TRUE
1990年 FANTASIA 遠いPROPHCY
よって、1992年の秋のインタービューで3年前くらいということになると、3曲しかない。
1曲は、「君と生きたい」。
その後、SET LIST に入ったのは、2001年の 「mariko in the BOX 01 」 のアカペラまで確かに封印していた。
当時、私は高橋真梨子インターネットファンクラブ「てまり」のコーナーをなぜか担当させていただいていて、情景描写が浮かんでくる曲として、「君と生きたい」や「Tear」を取り上げていた。
真梨子さんも、この間のいろいろなプライベートな環境の変化から、客観的に歌えるようになったということもあろう。
そして2曲、「HEART 」 と 「OVER 」。
故大津あきら氏作詞の 「for you...」の代わりに、メインが彼の渾身のラブソング 「HEART 」 であり 「OVER 」である。実は、この2曲は、その後の SONG FOR YOU のベストアルバムには収録されているが、数年おきにリリースされる数多いベストアルバム集には、収録されていない。
あと1曲は、私は 「HEART 」だと思う。
この曲は、コンセプトアルバムの中で大切にされてきたもの、そしてその情景が浮かんでくる名曲であるからだろう。
その歌詞から浮かぶ情景については、解説をごらんいただきたい。
映像では1984年の日本レコード大賞アルバム大賞の12/31の映像のみ残っている。
30年前である。
コンサートの感想に私がよく描く言葉である。
嫌われても 泣き顔でも
あなたの心の絵の中に 愛を演じていたい
真梨子さんが、この歌を歌うときは、自分の思い入れを存分に入れて、気持ちをこめて歌ってよいと判断する時である。
そして、それがいつなのか。
真梨子さんには、いつまでも元気で歌っていてほしいのである。