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神奈川県民会館 2014/11/02

「無限の魂」

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どちらかといえば、私のコメントは辛口なのかもしれない。 ただ、あくまでも真梨子さんを中心にした考え方で

述べてきているのて、その世界観と乖離する場合は、厳しい評価に見えてしまうのかもしれない。

しかし今回は、厳しいというより心配なのである。

 

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前列2列目右ブロック。

センターに立つ真梨子さんからは8メートル。 右に移動するシーンでは、5メートルもない。

当然グランパは、目の前に立って歌ってくれている。

 

もう今年のコンサートも終盤である。

今頃これに気付くとはという感もするが、すでに初日の川口リリアの記録から、左壁面の真梨子さんのシルエットが、偶然のものではなく、明らかに意図されたものであると考えて発表してきた。

ただ、残念ながらコンサートホールの音響に対する考え方で、フラットでない壁面には映りづらい。

しかし、ちゃんとした意図がある。

来年リリースされるであろうDVD映像では実は撮影できないだろう。

よって、ホールでしか体感できない演出である。

 

「浪漫詩人」

80年代の赤い高橋真梨子の世界を切望し続ける人に対してのメッセージであるかごとく、「浪漫詩人」の背景映像には古びたコンサートホールが映し出される。

そのコンサートホールの中をよく見ると、実は左側に人型の彫像のようなモニュメントが立っている。

そしてコンサートホールごと宇宙の彼方に消えていく。

 

そのあと 「DJがいつもかけるうた」 が奏でられる。

まさにその彫像のシルエットが、左壁面の真梨子さんであるかのごとくに感じられるのである。

あの頃の浪漫を歌えないという存在が、シルエットとして、そして DJ がかける「このレコード」の世界の中で、

80年代のSINGERを、映し出していくのだ。 これが、壁面のシルエットの存在の意味である。

 

この瞬間、80年代の真梨子さんと今の真梨子さんとが共演しているのだ。

 

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そして、「far away」

去来する無限の魂を乗せた多くの蝶が飛び立って行く。

 

そのときよく見てほしい。舞い飛ぶ蝶のシーンの左下に、ステージの真梨子さんのシルエットが映りこんでいる。そして、蝶の舞が終わり、暗転したホールには無数の星屑が現われ、銀河の彼方がラストになる。

無限の魂は、銀河の彼方へ旅立っていく。

 

ふとふり向けば 愛が恋しいから 何度もBLUESにあけくれた・・・・

銀河の外へ 飛び出していけたら すさんだ気持ちも 変わる・・

 

鎮魂のレクイエムの中に「 My Heart New York City  」が聞こえてきた。

悠久の時の流れの中で、赤い情熱の魂を持った、愛が恋しい Singer 高橋真梨子が 愛を描いてくれていた。

 

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だからこそ、真梨子さん自身が一番よく分かっていると思う。

後半声が出ていない。心配である。

体をひねって高音を出すから、マイクの前に戻ると音が揺らぐ。次のフレーズまで、音が伸びてしまう。

 

痩せてきているというお話を聞くにつけ、明らかに真梨子さんの歌唱ではないと感じた。

テンポの速い曲とスローバラードの構成の今年のセットリストの並びの負担もある。

もちろん丁寧に歌っていただいていることに何のかわりもない。

だからこそ、お体を大事にしていただきたいのである。

 

そんな思いの残るコンサートであった。

 

 

(C) THE MUSIX 2014 Adultica

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