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「高橋真梨子の世界」を把握していく上で、このテーマは基本的な視点である。
CDしかお持ちでないファンにとっては、何のことかわからない。しかし、真梨子さんにとっての第Ⅰ期黄金時代のポイントはまさにここにある。
私はこの時代のアルバム作りがとても好きだ。リリース当日、LPを大切に持ち帰って、針を落とす。そこに、新しい高橋真梨子の世界が広がっていく。あのワクワク感は、時として定番曲中心かのようなTV番組構成のイメージとは、まったく異なるものである。
まさに、「高橋真梨子というアーティスト」が「高橋真梨子である存在」を知らしめるのは、LPであった。
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LPは、まさに14「枚目」の「PRETEND」までリリースされている。
CDは8枚目の「GARLAND」からである。
簡単に表で示すと右上になる。
現在、オフィシャルのHPでは、VICL盤表記になっている。これは、再びプレスした再盤である。CDの材質も盤面デザインもブックレットの印刷色も異なる。曲名は連番で並んでいる。VDR盤はA面B面表記である。
89年 PRETEND
88 Eternally
87 BLUESette
86 FOREST
85 MELLOWLIPS
84 Triad
83 我蘭憧GARLAND
82 AFTER HOURS
82 Dear
81 LOVENDOW
81 Tenderness
80 Monologue
80 SunnyAfternoon
79 ひとりあるき
VDR-1640
VDR-1412
VDR-1546
VDR-1274
VDR-1088
VDR-45
VDR-4
VDR-1420
VDR-1419
VDR-1418
VDR-1417
VDR-1416
VDR-1415
VDR-1414
VICL盤
5175
5161
連番
「我蘭憧」から、デジタルレコーディングが始まり、デジタルのミックスダウンで制作している。番号を見ての通り、「BLUESette」をリリースした後に、「AFTER HOURS」までの過去のLPをCD化してリリースしている。もちろんこれは、音源はアナログ録音でありデジタルにリマスターして制作された。
我蘭憧
左VDR-4
右VICL-5169
簡単に言うと、LPアルバムは、1枚でコンサートの世界を表現している。
A面5曲。B面4曲。5曲というケースもある。
A面が、第1部。そしてレコード盤を裏返す瞬間がある。ヘンリーバンドプレイと捉えればよい。
第2部のB面がどんな構成になっているか、期待を盛り上げる瞬間である。
そして、このLP盤のアルバム構成は、コンサートのセットリストに似ている。
特に、奇数番目の曲に注目すべきだ。説明のように、「我蘭憧」から、デジタル音源でのリリースなのだが、どちらかというと、LPアルバムの制作の結果として、CDとしてもリリースしたというものである。つまり、「9曲のコンサート構成」という感じである。
「FANTASIA」以降は、デジタルでのCD制作という視点に移行している。そして、もちろん10曲通しのCD盤の構成でも、似たようなことが言える。しかし、実は続けて聴くと何曲目かわからなくなる。
また、アップテンポとバラードの入れ替え・組み換えで、そのバリエーションが増えて表現の幅が広がったのではあるが、かえって、全体像のメリハリがとらえづらくなってしまった感覚もある。
そこで、真梨子さんが初めてプロデュースに参加し、渾身の思いを込めて作成し、ご本人もとても納得しているアルバム「Dear」を見てみよう。ご覧の通り名曲が並んでいる。そして、奇数番目がポイントであることは、すぐわかる。コンサートとしてとらえても、7曲目がこのコンサートのメインであることが感じられる。コンサートのラストが「漂流者へ...」である。
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ところが、オフィシャルHPにあるように、VICL盤では、単純に連番である。しかも、CD仕様になったときもLPアルバムジャケットを転用しているのだが、A面B面の文字を同色のシールで隠していてこのことがわかりづらい。
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真梨子さんはアルバムのコンセプトを歌い続けた、コンサートシンガーである。
その歌い方は、バラードである。
その世界の奥深さをしっかりと捉えて、
真梨子さんの描く心象風景を想像してほしい。
(2020/7/25)
A面
1.STOP MY LOVE
2.MY CITY LIGHTS
3.SEE YOU AGAIN
・・・風にくちづけて
4.SAMBA MAGIC
5.フェアウェル
B面
6.小さなメタモルフォーゼ
7.for you …
8.TEAR
9.漂流者へ
アップテンポの 「STOP MY LOVE」と
「MY CITY LIGHTS」の組み合わせも凄い。