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No Reason 2

No Reason 2~もっとオトコゴコロ~

2010.5.12 VICL-63559

1.時間よ止まれ

2.空に星があるように

3.ブルー・シャトウ

4.人間の証明のテーマ

5.もう君がいない

6.ネグレスコ・ホテル

7.例えば君の事

8.マイレディー

9.恋人

10.ルビーの指環

11.風のエオリア

12.鷲と鷹

13.奏(かなで)

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前年の好評さをそのままひきついだ感のあるVersion2である。前作が秀逸であったので、期待は大きい。また、このアルバムからconcertのセットリスにも5曲取り入れられているが、それは真梨子さんのオリジナルを聴きたいとの欲求を満たしてはくれない。

「時間よとまれ」はマイルドでカッコいい。アコスティック感もいい。

「空に星があるように」の隠されたテーマは、真梨子さんのコンサートでてくる満天の星空である。武道館の球体な空間の中で、満天の星空が輝いていたのを思い出す。

小さなさ夢も、今の世相では叶わないのか。古き昭和の時代、仕事帰りに真梨子さんのコンサートにワクワクしながら行く夕暮れのあの時間。早くあのシーンが戻ってほしい。

「ブルー・シャトウ」の編曲がラテンであるのが凄い。サビの部分が歌謡曲っぽくなるのも

凄いアレンジである。間奏も凄い。いい意味での裏切りである。

「人間の証明のテーマ」は、前作の「Everlasting Love」を思い出させる。

うまく歌えば歌うほど、オリジナル曲への思慕を掻き立てる。それは英語詞曲であるからだ。

かなり張り上げている。正直なところ、コンサートでこの曲を歌う時間で「Brown Joe」を聞きたかった。「もう君がいない」も「桜」と同じで、グルーヴが難しい。編曲が素晴らしい分、厳しいといえばそれまでであるが、このラップ曲は挑戦したと言えばその範疇を出ないままではないか。もちろんラストのフレーズは素敵なバラードの仕上がりである。

一転して、ただただかっこいい「グレスコホテル」。アップテンポのようで、実はバラードの歌い方でありリズムである。「例えば君の事」は当時ヘンリーさんが取り入れていた曲調のように思う。これも隠れた名曲。アコスティックギターのカット音が聞こえてくる世界。昭和の青春。

アップテンポな「マイレディ」が前作の「ワインレッドの心」と対となっている。

ただ正直ところ、この曲は高橋真梨子の世界のというよりP&Cの世界の曲である。

このアルバムのメインの位置に「恋人」を持ってきた。まさにストレートな真梨子さんの世界ではある。しかし悲恋の中に真実の愛はあるのか。別れた彼女,ふられた彼女が懐かしい?

オトコ心とはそんなに狭い恋愛の世界なのか。

ふとそんなことにとらわれながら、面白い編曲、Jazzyな世界の「ルビーの指輪」が流れてきた。

少しお酒が入ったほうが良いかもしれない。話し声と、お酒のにおいがする。

そこは、Mary'BARなのか。

「風のエオリア」は、徳永さんのイメージが強すぎる。しかし、サビ以外の部分の丁寧な歌唱が真梨子さんの旋律なのである。「鷲と鷹」は、古き良き昭和の世界。「星の流れに」にと対にしている感がある。

そして「奏」。素晴らしいイントロである。

オリジナルの善さを決して壊すことなく、もう真梨子さんのオリジナルにしている。

こういう心の叫びが聞こえてくるアレンジは素晴らしい。押し寄せてくる波のような大サビの部分が凄い。そしてファルセットになるところも絶妙である。

2枚のNo Reasonを通じてのまさにエンディングらしい「奏」である。

そして、日本語の詞の世界を大事にする真梨子さんらしいアルバムのラストであった。

(2021/05/31)

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